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    家族の思い(25) 有本明弘さん・嘉代子さん、斉藤文代さん

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      家族の思い(25) 有本明弘さん・嘉代子さん、斉藤文代さん


      【再会の日へ(2)】

      北報告の不審点 「生きているからこそ嘘をつく」


      2014.8.28 14:41 (1/3ページ)

      http://sankei.jp.msn.com/world/news/140828/kor14082814410004-n1.htm


      壇上のスクリーンに映し出された女の子のあどけない顔に、約450人の聴衆の視線が注がれた。「拉致再調査合意」のニュースから2日後の5月31日、神戸市垂水区で開かれた拉致問題を考える市民集会。同市出身の拉致被害者、有本恵子さん=拉致当時(23)=の母親、嘉代子さん(88)は遠い思い出となった写真を見やりながら、決意のこもった口調で結んだ。

      「(北朝鮮が)死亡したと結論付けた恵子ら8人が生きて帰ってこない限り、拉致問題は解決しません」

      強引に引き留めておけばよかったと、今も後悔する。有本さんは家族の猛反対を押し切り、英国・ロンドンに留学。ベビーシッターなどをして生計を立てつつ、語学学校に通っていた1983(昭和58)年に連絡を絶った。

      それから5年がたった昭和63年9月、娘の身を案じ続けていた父、明弘さん(86)と嘉代子さんに意外な形で消息がもたらされた。欧州で失踪した石岡亨(とおる)さん=同(22)=から北海道の実家に送られたエアメールは、有本さんらと一緒に北朝鮮の平壌で暮らしていると伝えていた。

      国交もない国からの思いもよらない便り。政府に真相解明を繰り返し要望したが、事態は硬直化したままさらに14年が過ぎ、2002(平成14)年9月、北朝鮮は日朝首脳会談で娘の「死亡」を通告してきた。




      1985(昭和60)年12月に石岡さんと結婚し、翌年に長女を出産したが、88(同63)年11月、石炭ストーブの事故で一家全員死亡した−。

      嘉代子さんは突然の「訃(ふ)報(ほう)」に打ちひしがれながらも、すぐに疑念が沸いた。「死亡そのものが嘘ではないか」。約1カ月後、政府から北朝鮮が作成した死亡確認書を手渡されると、それは確信に変わった。



      × × ×

      そもそも確認書は、有本さんの生年月日が違っていた。実家に石炭ストーブがあり、扱いに慣れていた石岡さんが事故を起こしたとは考えづらい。遺骨など科学的な物証もなかった。

      「生きているからこそ、嘘をついている」

      「ほころび」はほかにも出てきた。拉致被害者、曽我ひとみさん(55)=平成14年に帰国=の夫、チャールズ・ジェンキンスさん(74)は、「有本さんの子供は北朝鮮の説明とは違う男の子だ」と指摘。被害者支援組織「救う会」は有本さんが少なくとも2001年の時点で生存していた情報を入手している。

      明弘さんは「北朝鮮はこれまで、色々な嘘をついてきた。絶対に生きている。なんとしても生きた姿で返してほしい」と話す。


      × × ×

      石岡さんのエアメールは、有本さんとは別の日本人の生存も伝えていた。欧州で行動をともにしていた熊本市出身の松木薫さん=同(26)=だ。北朝鮮は「1996年8月に高速道路での事故で死亡」と日朝首脳会談で説明したが、出してきた「遺骨」は鑑定で別人と判明。交通事故記録は、死亡者の名前すら未記入でいい加減なものだった。「なんてひどい国なの」。姉の斉藤文代さん(69)は激しく憤った。

      「死亡」を覆す証言はほかにもある。朝鮮労働党元幹部によると、1999年から2003年にかけ、平壌の外貨ショップで松木さんと有本さんに似た男女を複数回目撃したという。

      今年1月、母のスナヨさんが92歳で亡くなった。10年以上に及んだ入院生活では何度も高熱を出し生死の境をさまよいながら、家族が「薫が帰ってくるまで頑張るんだよ」と声をかけると、容体が安定した。

      スナヨさんの葬儀・告別式では、焼香する親族の1人として「松木薫」の名前が読み上げられ、周囲が驚く中、薫さんに代わって斉藤さんが焼香した。「薫は北朝鮮で生きていて、母の葬儀に間に合わなかっただけ」と斉藤さんは薫さんの生存を固く信じている。




       

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      【再会の日へ(1)北の暗部「知りすぎた被害者」】

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        横田めぐみさん 「見てはならないもの見た」


        【再会の日へ(1)北の暗部「知りすぎた被害者」】

        「死亡の物証」横田めぐみさんに集中 いずれも改竄、捏造の疑い

        2014.8.27 05:30


        http://sankei.jp.msn.com/world/news/140827/kor14082705300003-n1.htm

        日本での拉致被害者救出運動のシンボル的存在となっている横田めぐみさん。機運の沈静化を図るように、これまで北朝鮮が出してきた“物証”はめぐみさんに集中している。

        北朝鮮が「死亡」と説明した被害者8人のうち7人に関し、平成14年9月の日朝首脳会談後、日本政府調査団に出してきた書類は「死亡確認書」という書類だった。めぐみさんについては、死亡確認書に加え、「患者死亡台帳」や夫だった人物の手紙まであった。

        いずれも改竄(かいざん)や捏造(ねつぞう)の疑いが強かった。「患者死亡台帳」では、表紙の「患者入退院台帳」の「入退院」という文字を「死亡」と書き換えられていた。

        「死亡確認書」には、めぐみさんの「死亡日」として「1993(平成5)年3月13日」と記され、めぐみさんの夫だった金英男氏がめぐみさんの両親にあてた手紙でも、「93年、突然病気でめぐみを失った」と書かれていた。

        だが、帰国した被害者の証言で、めぐみさんが94年まで生存していたことが確認されると、「94年4月」に変更。その後、出してきためぐみさんの“遺骨”もDNA型鑑定で別人のものと判明している。






         【再会の日へ(1)北の暗部「知りすぎた被害者」】

        横田めぐみさん 「見てはならないもの見た」

        2014.8.27 05:30 (1/2ページ)

        http://sankei.jp.msn.com/world/news/140827/kor14082705300002-n1.htm


        〔画像1〕 横田めぐみさん

        中学校の部活動を終え、帰宅途中の昭和52年11月15日、わずか13歳で新潟市から北朝鮮に連れ去られた横田めぐみさん。その状況を、韓国に亡命した元北朝鮮工作員はこう証言した。

        《(めぐみさんを)北朝鮮につくまで船倉に40時間以上監禁した。「お母さん、お母さん」と叫び、壁などをひっかいたようで指は血だらけでつめがはがれそうになっていたという》

        北朝鮮に到着しためぐみさんは泣き続けた。そんな姿に、北朝鮮当局者は「朝鮮語を勉強するなら日本に帰してやる」と伝えた。だが、その約束は、当たり前のようにほごにされる。

        53年8月、暮らしていた招待所に、一人の日本人女性が現れた。めぐみさんと同じく北朝鮮工作員に拉致され、平成14年10月に帰国する曽我ひとみさん(55)だった。

        新しい2人の生活には、厳しい監視の目がまとわりついた。地村保志さん(59)、富貴恵さん(59)夫妻らを拉致した北朝鮮工作員、辛(シン)光洙(グァンス)容疑者(85)=国外移送目的略取容疑で国際手配=が2人の教育を担当したこともあった。

        日本語は許されず、夜になって2人きりになると、日本語で会話したことを曽我さんは帰国後に証言している。

        めぐみさんと曽我さんは何度か離れながら、昭和55年までともに生活。その後、めぐみさんは金淑姫工作員と同居しながら、日本語などの教育を担当。金淑姫工作員と離れた後には、田口八重子さんと生活をともにした。同じ集落には、曽我さんと同じく平成14年10月に帰国した地村さん夫妻と蓮池薫さん(56)、祐木子さん(58)夫妻もいた。

        田口さんとは昭和61年まで生活。めぐみさんはその後、韓国人拉致被害者、金英男(ヨンナム)氏と結婚し、娘のキム・ウンギョンさん(26)が生まれた。帰国した被害者の証言で、めぐみさんはこの集落に平成6年までいたことが確認されている。

        めぐみさんについて、北朝鮮は「1994(平成6)年4月に死亡」と説明したが、その後もめぐみさんが生存していたとの情報は後を絶たない。

        いくつかの情報は、「知りすぎた被害者」の面をくっきりと映し出している。「1995年前後の1〜2年、金正日(ジョンイル)総書記の子供の一人の家庭教師をしていた」という情報は、金総書記の元側近幹部によってもたらされた。

        新しい別の証言もある。脱北を決意したある男性は2007年1月、朝鮮労働党の工作機関「作戦部」幹部の息子に日本人拉致被害者の情報を求めた際、こういわれたという。「めぐみは特別管理しているので、おれも接近できない」。この言葉を読み解けば、めぐみさんは07年前後に生存していたことになる。

        別のとき、友人は男性に対し、こうも説明したという。「めぐみは見てはならないものを見ている」。うかがい知れない秘密が帰国をはばむ“壁”になっているのかもしれない。


         

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        「西の空気吸った」金正恩氏に決断促す、拉致問題で古屋担当相 (1)

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          「西の空気吸った」金正恩氏に決断促す、拉致問題で古屋担当相 (1)

          Bloomberg 8月28日(木)12時46分配信


          http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140828-00000034-bloom_st-bus_all


          8月28日(ブルームバーグ):古屋圭司拉致問題担当相は北朝鮮による拉致問題の調査結果が不十分であれば、日朝関係を改善する最後のチャンスが失われるとの認識を示し、金正恩第1書記に解決への決断を促した。第一次調査結果は「夏の終わりから秋の初め」にかけて日本側に提示される見通し。



          27日のブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。古屋拉致相は北朝鮮が2002年に、拉致被害者の一部について「未入境」や「死亡」と報告したことを挙げて、「不誠実な対応がもう一度繰り返されるなら、日朝関係を良くしていく最後のチャンスを北朝鮮自ら放棄することになる」と指摘。拉致問題をめぐっては「北朝鮮側にボールがある」と話した。

          拉致被害者については「生存していることを前提に協議をしている」と明言し、第一次調査結果の報告を前に「あらゆるシミュレーションを考えて準備をしている」と話した。報告内容次第では、北朝鮮に連絡事務所を設置することも検討していることを明らかにした。

          北朝鮮は先月4日、拉致問題などに関する特別調査委員会を設置。北朝鮮のすべての機関を調査する権限を与えられた、金正恩第1書記の直轄機関だ。拉致被害者については、「入境からの経緯を調査し、確認する」ことで合意している。安倍晋三首相は調査委員会の設置に先立ち、「行動対行動の原則に従って日本が取ってきた一部の制裁を解除する」と表明した。

          特定失踪者問題調査会の荒木和博代表は、「北朝鮮は拉致被害者の大部分を把握しているから、特別調査委自体にあまり意味はない」と見る。北朝鮮側が今回の交渉を「最終的な解決」と位置付けていることを挙げ、一部を帰国させて「これで全部終わったんだというふうにされるのが一番心配」とも指摘した。



          支援策

          政府は5日、官邸で拉致問題対策本部の会合を開き、拉致被害者が新たに帰国した場合を想定した支援策の案をまとめた。帰国後の就職支援や、年金の追納支援などが含まれる。


          古屋拉致相はインタビューで、拉致に関与したのは故金正日総書記だったことを指摘。息子である正恩氏は「スイスで幼少の頃に生活をしている。西側社会の空気を吸っている」と話し、「金正恩自身が拉致問題を解決するという気持ちを持ってもらうことを期待する」と語った。

          今後の制裁解除については、「拉致被害者が帰ってくるということがあるならば、日本が独自にかけている制裁を解除していくことはあり得る」と説明。一方で、核やミサイル問題をめぐり国際社会と連携して課した制裁については「日本独自で勝手な行動はできない」として解除に否定的な見方を示した。

          政策研究大学院大学の道下徳成教授は、拉致問題が部分的にでも解決した場合、日本が北朝鮮に人道援助をする可能性が高いとし、「米国や韓国は、日本の行動が北朝鮮への圧力の効果を低下させるのではないかと懸念している」と指摘。米韓には丁寧に説明していく重要性を訴えた。



          最後の担当相

          古屋拉致相は「安倍総理の下で絶対に解決する。私が最後の拉致問題担当大臣になるという覚悟で取り組むと就任の時に言明した」と解決への決意を見せる。現政権では官邸も与党も中央省庁も一体となって拉致問題解決に取り組んでいると説明し、「これは北朝鮮にとって脅威。足元は乱れていない」と話す。

          首相は来月3日に内閣改造・自民党役員人事を行う予定で、石破茂幹事長の処遇が焦点になっている。その石破氏は25日のラジオ番組で、来年9月に予定されている自民党総裁選への出馬の可能性について、「その時の状況による」と指摘。首相になりたいかと問われ、「ならなければならない時に自分はできませんと言ったら無責任」と話している。

          古屋拉致相は、石破氏を中心に党内で不協和音が出てきているのではとの質問に、「与党と内閣は一枚岩になって対応していくことが極めて大切」と語った。安倍首相を「拉致問題で一番思いが強い人間」と称賛した。

          古屋拉致相は衆院8期目の61歳。成蹊高校・大学では安倍首相の1年先輩。卒業後は保険会社勤務を経て、安倍首相の父、晋太郎元外相の秘書も務めた。春、秋の例大祭や8月15日の終戦記念日には靖国神社に参拝する保守系議員の一人。

          記事に関する記者への問い合わせ先:東京 高橋舞子 ;東京 Isabel Reynolds ,mtakahashi61@bloomberg.net,ireynolds1@bloomberg.net

          記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 ;Andrew Davis 広川高史, 淡路毅 ,yokubo1@bloomberg.net,abdavis@bloomberg.net

           

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          北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告6

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            北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告6

              ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

            (2014.07.28)



            ■北の「特別調査委員会」をどう見るか


            ◆皆さんと共に北朝鮮の報告に注視を

            飯塚繁雄(田口八重子さん兄、家族会代表)

            みなさんこんばんは。いつも拉致問題に関心を持っていただいて大変ありがとうございます。

            最近の北朝鮮の状況はご承知の通りですが、「特別調査委員会」を立ち上げて調査をすることになっています。それについては今克明に解説があったわけですが、当然ながら私たち素人はそういう深い分析や判断ができません。

            言えることは、長い間、今まで何もなかった地獄のような期間が、今回何か動きが出てくるということについては確かな感じを持っています。

            最初の報告が「夏の終わりから秋の初め」ということですが、私たちとしては今進んでいる以上、一回その動きを見ようと。どういう内容で、どういうボリュームで報告がなされるのかということを待つしかないんです。

            「特別調査委員会」の組織が意図するところ、これを懸念する背景がたくさんあるということは今日分かりました。しかし、ここで心配しているだけではだめなので、やはり光があればその兆しを見つけながら注視をしていくことも必要かなと思います。

            こういうむずかしい判断がたくさんあるということは、細かい組織ではなかなか埒が明かない、問題が先に進まない、解決に向かないという判断もできないことはないんです。

            私が思うに、少し乱暴化もしれませんが、組織のトップをつかさどっている金正恩の判断一つなんですね。ですから日本の総理大臣が、この金正恩の判断をうながすことが、どこかで動きや態度で示せればいいなと思いますが、終局的にはその辺を考える場面もあると思いますが、まずこれからの報告を見る、そこまで考えなければいけないと思います。

            すぐに首脳会談をやれということではなく、北朝鮮の態度をみながら日本の立場、安倍総理の意向を含めて、日本の態度を強く出していただきたいと思います。

            この委員会の報告を北朝鮮の放送でもやっていますが、拉致の項目が後なんですね。一番最初に出ているのは「遺骨」の問題です。これを見ると、まだ色々問題がありそうだなと感じます。

            話は別ですが、先日アメリカのケリー国務長官が話した内容を皆さんご存知と思いますが、北朝鮮との関係で日本が単独で動くことは喜ばしくないと。制裁の解除のことを言っていると思うんですが、核・ミサイルを含めた総合的な判断で動くべきだという話をしています。

            私は直にケリーさんに会って、拉致問題に言及したんですが、その時は北に対する怒りをかなりあらわにして、テーブルを叩いて態度を表していたんですが、そういう話を聞くと、「何だあの時の態度は」と思ってしまいます。

            日本を取り巻く、国連を含めた支援というのは必要と思うんですが、今回日本対北朝鮮ということでは相当論議の的が絞られていると感じます。ですから、外国が助けてくれなくても、日本だけでもなんとか頑張るという態度を貫いて、この問題が中途半端になったり、あるいは結果的に反故になってしまったりということがないようにお願いするというか、祈願するというか、期待するということになります。

            それしか今思いはないです。今後皆さんと共にこの問題を注視して、それぞれ向こうの報告を見て対応していく。これは政府もそうですし、全国の民間ボランティアも組織もそうです。そういうことにつながっていくと思います。ありがとうございました(拍手)。



            ◆きちんと訴える力を持っていただきたい

            横田早紀江(横田めぐみさん母)


            みなさんこんばんは。暑い中をたくさん集まっていただいてありがとうございます。

            今、西岡先生の話を聞かせていただきながら、本当に大変な国に連れていかれたんだなということを改めて感じています。心が通じない。どれだけの人たちが安否という二つの状況の中で、何人が帰ってくるのか。生きているか、死んでいるか、それは本当に分からない。

            どういうふうになって帰ってくるか、みんな家族が心配をしています。一生懸命育ててきて、こんな目にあって、苦しんで、拉致した人のために本当にたくさんの人が苦しんでいます。

            そしてほんとうに長い年月支援をしていただいて、力をいただいて、ようやく最終的な会談まで来ることができた。そして今正念場なんですが、色々なことを振り返りました。デモをしたこととか、外務省の前で座り込みをしたこと、講演会に行ったことなど本当に様々なことがありました。

            それもみんなが元気で帰ってくるんだということを信じてみんなが頑張ってきたのに、向こうはそういうことなんか何も考えないで、こんな無慈悲なことをこれからもまだやるのかなあと、人間の根本的なところが通じていないのかなあと、それが非常に残念です。

            安倍総理であれ、今の外務省の方であれ、何にも悪いことをしていない人たちを勝手に捕まえて、向こうに連れていく。そして全然違う生活をさせてそれでいいわけがない。返すのが人間として当たり前のことなんですよということを、日本だけでなく色々な国々が一緒になってメッセージを送らなければならない。

            ブッシュさんにお会いさせていただき、抱擁させていただいて、世界中にこれが出ますよと言われたことを覚えていますが、それはみんなが言わなければならない大事な、大事な問題なのです。

            交渉する人は、そんなこと許せることではないんだということ、こんなことをするんだったら何の支援もできないということ、お互いに幸せになりたいのならあなた方もその気持ちをちゃんと汲みなさいときちんと訴える力を持っていただきたいと思います。

            別に日本が意地悪をするわけではなくて、北朝鮮の皆さんにも幸せになってほしいし、たくさんのものも送りたいし、たくさん食べていただきたい。お互いの文化を尊重しあいながら交流できる国になりたいと思っているのに、それができないのはとても残念なことではないですか、絶対的に厳しく言う力を持っていただきたいと思います。

            私たちは祈るしかなくて、たくさんの人が支援してくださって、帰ってきたという喜びを一緒に感じさせていただきたいと思っています。ありがとうございます(拍手)。



            ◆ミサイルが飛んでも交渉は続けてほしい

            本間勝(田口八重子さん兄)


            みなさんこんばんは。今日は暑いところありがとうございます。

            大詰めが来たという感じで、一次回答がどのように出るか本当にどきどきして、精神的に家族みんなが追いつめられている気持ちでいます。

            北から、生死を別にして、まず名前が発表されるか、そこからスタートになると思います。うちの八重子については、蓮池さんから話を聞いている限りでは、軍の方に掌握されている、つまり敵工局というところにいるんだと聞いています。

            そうすると一般住民の住民登録台帳には、先ほどの惠谷さんや西岡先生の話ではそういう台帳に名前が載らない人間である、隠されている人間だということです。

            しかしながら、私たちは今まで署名活動をして、拉致被害者を取り戻すんだという大きな問題を北朝鮮に突きつけているわけですが、13歳の少女のめぐみさんを北がないがしろにして、生きて返さなかったら、もう日本国民はそれだけで納得しないと思うんです。

            13歳の少女をさんざん苦しめて、拉致被害者の中では一番若いわけですから、その人が亡くなっているということは絶対にありえないんです。いくら精神的に異常をきたしたとしても、心臓が動いている限りは生きていますから。

            そういうことで、まず北の犯罪者がそういう人たちをどのようにして返してくるか。政治取引もあるでしょうし、日本は工作員を含めて拉致をした人たちを追求している。その犯罪者を追いつめていくんだと言っているわけです。

            そうした状態で、北が返してくれる範囲に入れるかどうか。そういうことも私は危惧しています。12人の他に、色々な方が拉致されています。そういう人たちが名簿に載って、日本人がいますから返したいと言ってくるでしょうけれど、そこで北はまた巧妙に、「長年北朝鮮にいて日本にいまさら帰りたくない」と言わせるかも分からないんです。

            そういう恐れもあるし、他に心配することがたくさんあります。そういう中で工作員を一緒に出せとかいうのは、犯罪の取引としては免責というのがありますよね。これ以上追及しないよ、と。そうしないと、返すものも返さない状態が出てくると思います。

            北がこの人たちを返すと、体制の評判が悪くなる、維持ができなくなる。要するに麻薬をどのようにして売っていたか。日本から印刷工を拉致して、どのようにして偽札を作っていたか、今はどうなっているか。そのようなことまで追求されれば、北の体制は非常に追いつめられていくと思います。国際的にもですね。偽札問題は非常に大きな問題ですから。

            そうなると、そういう人たちは返さない。生死とは別に、そういう選定をするのではないかと思います。そういうことのないように日本がうまく交渉していってくれればなと思います。

            先日内閣府で日朝交渉について説明された時に、拉致問題もそうですが、核・ミサイル問題も同時併行的に動いています。

            「ミサイルを飛ばしたこの交渉は中断されるんですか。そのようなことのないようにお願いしたい」と私はお話ししました。現実に北朝鮮は、米韓軍事演習に対して、ミサイルを威嚇的に飛ばしています。そのような状態が起きる時に、日本は、安倍さんは慎重に、拉致問題は人道問題だからそのようなことで中断はしないと明確にアメリカにも言っています。

            北も、これは日本に向けて撃ったわけではないよというようなことを言っていますから、自制して、日本と中断しないような形で今は動いているのかなあと思っています。

            私がいいたいことはうまく交渉して、北をあまり追いつめないで日本人を無事に取り返す。まず12人の拉致被害者が生きていて、健康上はこうですよという形で一次回答を出すのかなと思っています。

            再調査ということで拉致問題が動き始めました。私たちは10年以上、みなさんの応援で署名活動をやって、大きな力をいただいて、それが北に影響はしていると思います。

            日本人は本当に怒っているんだと、西岡先生の話ではまた制裁をかけるよということも躊躇しないと言わせて、やっていくということで、これからも応援していただきたいと思います。

            宜しくお願いいたします。ありがとうございました(拍手)。

            以上

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            北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告4

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              北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告4



              ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

              (2014.07.25)

              ■北の「特別調査委員会」をどう見るか

              ◆偽の死亡確認書を出した保健省が拉致分科会に

              西岡 そしてもう少しこのペーパーに即して、彼らが何を出してくるかについて議論したいと思います。惠谷さんが作ってくれた特別調査委員会の構成は、「朝鮮中央通信」から取ったから人名が漢字になっています。分科会の並べ方も北朝鮮側の並べ方で、私が持ってきた政府の説明ペーパーとは違っていますが、どちらにしても拉致被害者分科会の中に保健省が入っています。

              4つの分科会がありますが、保健省が入っているのはここだけです。これを見た時に私は大変不吉な思いがしました。保健省というのは病院を管轄しています。やはり2002年の調査の時、死亡の根拠として出てきたものが8枚の死亡確認書でした。日本でいう死亡診断書です。死亡の日か次の日に医者がサインして発行する書類です。

              実はそれがおかしなものだったのです。めぐみさんのものだけは準備されていました。死亡確認書も別の物であり、死亡確認書にサインしたお医者さんも出てきて、首をつったという木もあり、患者死亡台帳も準備されていました。しかし、他の7人については口頭で、病気で死んだとか、交通事故で死んだとか言うだけで最初は何も書類を出さなかったのです。

              それで当時の調査団長だった斎木アジア局参事官が机を叩いて、「こんな説明で帰れるか。家族が待っているんだ。何か証拠を持ってきなさい」と言ったら、3時間くらいして7枚の死亡確認書のコピーを持ってきた。

              そして全部695病院となっていました。695病院というのはどこの病院ですか。

              惠谷 これは金正日政治軍事大学の構内にある病院で、このチャートで言うと、作戦部の管轄の病院です。

              西岡 平壌にあるんです。

              惠谷 車で25分か30分くらいあれば着きます。



              ◆2004年の死亡確認書は「慌てて作って間違えた」

              西岡 だから30分くらいで行って、2時間くらいでパアーッと作って、ゴム印を押したんです。北朝鮮は紙がない国なんです。7枚作らなければいけないのに、5枚しかなかったのか、あるいは2枚書き損じてしまったのか、ゴム印を押した紙しかなくなってコピーをコピーした。

              なぜ分かったかというと、ゴム印は手で押すでしょう。すかしてみると3枚が全く(2か所の)ゴム印の位置が同じなんです。ほかのものはちょっとずつずれていました。3枚は全く同じなんです。同じ日に作ったんです。2002年の10月1日に作ったんです。

              そういうことを指摘したら、2004年の再調査の時に、「慌てて作って間違えた」と北朝鮮が認めたんです。しかし例えば、市川修一さんの死亡確認書は、1979年の9月に海水浴で死んだとなっているんです。79年にタイムマシンで行って、慌てて作って帰ってきたのか。日付は79年と書いてあるんです。原本があるからコピーしてきたという説明だったのです。つまり捏造したわけです。国防委員会の指示で作られた特別調査委員会が。

              そして今回は、きちんとしたものを作れと言われているに違いないんです。私が最近入手した情報によると、2月に金正恩が統一戦線部に、「きちんとした死亡の証拠を作れ」と言った。すると「2か月くらいかかります」と言った。それで2か月経ってから局長級協議が本格化したのではないかと思います。この情報が正しければですが、まだ裏が取れていません。しかしそういう可能性もある。

              つまり、「元山の病院に確かにありました」と言って、紙も古いものをコピーしたものを準備しているかもしれない。日本側が、これはおかしいといっぱい書いていますから、それに合わせたものを保健省が調べたところ出てきたと言うために保健省を入れたのかもしれない。

              拉致をした調査部とか、統一戦線部、作戦部を入れないで、なぜ病院を管理している保健省を入れているのか。それも拉致文科会だけに。つまり、死亡としている人たちのことを調べる場所だけに入れている。行方不明分科会については、「いませんでした」と言えばいいわけですから、死亡の証拠を捏造する必要はないわけです。

              そう思っていたらまた不吉な情報を一つ見つけたんです。これは2012年6月15日の韓国の「朝鮮日報」の報道なんですが、韓国の拉致被害者代表の崔成龍(チェ・ソンヨン)氏が、「日韓の拉致被害者7人の死亡確認書の内容を書き写したとされる文書を入手した」と記者会見したというんですね。

              横田めぐみさんは2004年12月14日に死亡したと記載されていた、というんですが、「北朝鮮内部関係者が平壌にある保健省関係機関に保管されていたものを書き写したとしており」、となっています。保健省関係機関に2004年に死んだという書類があったということですね。

              「それを2012年に入手した」というんですが、2008年に一度再調査をしようとしたんです。その時に今回と同じように、当時の金正日が「死亡の証拠を作れ」と命令している可能性がある。そして保健省がそれを作った。あるいは、病院にはなかったけど保健省にあったということにした。そういうことを言うために作ったものが流出したのではないか。

              「朝鮮日報」は韓国の情報当局に真偽判定を要請したが、当局は「判定しにくい」ということで情報の真偽は確定していませんが、しかし保健省の関係機関に死亡確認書が保管されていると北の内部から情報が出てきています。

              そして2014年の特別調査委員会の拉致分科会だけに保健省が入ったということは事実です。不吉な思いがする、緊張させられる根拠の一つです。

              そういう目で、どの機関が入っているのかを見ると、最高検察所というのが拉致被害者の分科会に入っています。これは最高検察庁の上?。

              惠谷 最高検察庁の下にあります。形としては日本と同じですが、日本の検察庁のような権限は全くありません。

              西岡 なぜこれが入ったんでしょう。

              惠谷 私が推測するには、交通事故その他の案件を検察庁で承認したという形になるんじゃないかと思います。



              ◆住民登録台帳を調べても特定失踪者は出てこない

              西岡 なるほどね。そしてもう一つ重大な欠陥を指摘して、その後今後の見通しで議論したいと思います。

              「特別調査委員会の説明概要」の裏側で、「各分科会の活動」で行方不明者の分科会について、「日本側からの資料等も参照しつつ、人民保安部の住民登録台帳の精査を含め、北朝鮮への入境の如何、行方不明者の現状等について状況を確認する」と書いてあります。

              これではほとんどの特定失踪者は見捨てられます。行方不明の分科会の責任者は、朴永植(パク・ヨンシク)という人民保安部局長です。彼は特別調査委員会の副委員長を兼任しています。

              人民保安部というのは一般警察です。そして、(外務省の)伊原局長の我々に対する説明によると、朴永植人民保安部局長は戸籍の専門家だということです。北朝鮮では戸籍はありませんから、住民登録台帳のことです。だから住民登録台帳で調べると言っているんです。

              では住民登録台帳とはどういうものなのか。北朝鮮の人はみんな公民証というIDカードを持っています。その公民証を発行する時に作るのが住民登録台帳です。

              そして平壌市民210万人の2004年段階での住民登録台帳が海外に流失しています。実は救う会もその台帳が入ったUSBを持っています。その台帳はエクセルに入っていて、名前とか日本名とか色々あるんですが、そこに「民族」という欄があって、民族という欄を日本人でソートをかけると210万人の内85人出てきます。

              その85人の中に拉致被害者がいると言われて高く買わないかとずいぶん言われました。それで2010年に買いに行きました。そしてその85人を特定失踪者の生年月日などで比べてみたんです。日本名がある人も何人かいましたが、ほとんど朝鮮名でしたが、その中には拉致被害者の名前はなかった。



              ◆平壌市住民登録台帳の85人はほとんど日本人妻

              特定失踪者の公開の方と生年月日が一致する人は一人もいませんでした。逆に、1959年から60年代にかけて多数の日本人が在日朝鮮人と一緒に北朝鮮に渡ったわけですが、いわゆる日本人妻の人たちの名前がどんどん出てきました。

              そこで平田事務局長と一緒に、日本人妻の支援をしている日本国内の団体のところに行ってその名簿を見てもらったところ、「この人も知っている、この人も知っている。この住所は正しい」と確認してくださいまして、まずその210万人のリスト自体は本物だと分かりました。しかし、そこには拉致被害者は入っていない。

              ただ、曽我ひとみさんだけは入っていました。夫がジェンキンスさんだということで分かりました。これはどういうことか。一般社会に出ている人は、公民証の登録をしますから住民登録台帳に入るわけです。

              しかし、軍隊に入ったら一般社会の公民証ではなくなりますので住民登録から削除されます。軍の登録になります。工作機関に入っても同じように削除されます。基本的に住民登録台帳を調べても、工作機関の中で管理されている人は出てこないんです。

              余談ですが、「週刊朝鮮」の報道によると、めぐみさんと生年月日が一致し、そして娘の名前が一致し、夫の名前も一致する女性が二人出てきたんですね。しかし、血液型が違っているんですが、住所が分かるものですから、そこを調べたところ、そういう人が住んでいた形跡はありませんでした。娘のウンギョンさんを金日成総合大学に入れるためには、ウンギョンさんの住民登録が必要で、それで母親の住民登録を住んでいない住所で作ったのかなあと想像しています。

              それでも2004年前めぐみさんが生きていなければ、母親の所は死亡と書けばよかったのにそれをしなかったのは生きていたという証拠ではないかとは思っています。しかし、基本的には工作機関の中にいる人は、(住民登録台帳には)出てこないんです。

              従って、行方不明者の分科会で、「日本側の資料も参照しつつ」、つまり、860人ならその資料を住民登録台帳で民族は日本人で引いて、生年月日で合わせたら多分ゼロということになると思います。

              もしかしたら、曽我さんと同じように、工作機関では使われなくて一般社会にいる人が出てくるかもしれません。そしてそれで終わりにしようとしているのかもしれません。

              一般社会にいる人は秘密を知りません。出しやすい人です。もちろん日本政府も、この北朝鮮の説明はおかしいということに気づいていて、「今回の日朝協議では北朝鮮の説明を聞いてきて制裁を解除するかどうか判断するためだから議論をする場ではなかった」という説明でしたが、それでもこれだけでは困るとの立場で問題提起したと言っていました。

              「特定失踪者の中には拉致が濃厚な人もいるのだから、一般の行方不明者ではなくて、拉致被害者として調査してほしいということを申し入れました」と言っていました。

              各分科会の活動については、「今後日本側と協議しながら修正していくこともあり得る」と日本側の概要には書いてあります。北朝鮮の「中央通信」はこの部分を報道していませんが、今後どのような展開になるのかということも注目されることです。



              ◆認定被害者12人についてもう一回何か出してくる

              西岡 ずっと否定的なことを言ってきました。しかし、肯定できることが一つだけあります。それは、「各分科会の活動」の「拉致被害者」ところで、「日本政府が認定している拉致被害者について改めて調査し、それぞれの被害者について入境からの経緯を調査し、確認すると明記されたことです。

              特定失踪者の調査だけで何人かの人が出てきて終わりということにはならない。認定被害者12人についてもう一回何か出すことを約束した。この約束と朝鮮総連幹部の自由往来を取引したのであれば、ぎりぎり許容範囲かなあと思います。

              そしてこの約束で出してくるものが、もう一度保健省などを使った死亡の証拠の捏造であればまた制裁をかければいいわけです。安倍総理は、「読売新聞」とのインタビューで、明確に、「北朝鮮にかけている制裁は、被害者を取り戻すためのものであって、今回は制裁を解除するということで北朝鮮を動かしたんだ」と言っています。

              また、「制裁というのは可逆性があり、戻せる。人道支援だったら取られて終わりだが、制裁の解除はまたかけることもできる」と言っています。制裁にはそういう効果もあるんだ、と。

              伊原局長等は、「今北朝鮮と外交交渉をしているんだから北朝鮮が変なことをしてきたら制裁をかけ直すということは言わない方がいい」と、外交官ですから曖昧な言い方しかしないんですが、総理は「読売新聞」とのインタビューで、明確に、「人道支援なら取られっぱなしになるけど制裁は戻すこともできます。それが制裁の効果です」と言っていましたので、何か12人について出させるという約束を取ったということが、評価できるといえば評価できる。

              (5につづく)

               

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              北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告3

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                北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告3


                 ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

                (2014.07.24)



                ■北の「特別調査委員会」をどう見るか

                ◆「国家安全保衛部が入ったから期待できる」のか

                西岡 もう一つ、マスコミで大きく報道されていることですが、今回の調査委員会に国家安全保衛部が入ったということです。これは意図的なリークを感じますが、3月の局長級会談が始まる前から、「今回の日朝協議には国家安全保衛部の幹部が出てきている」と。

                これは2002年の、小泉訪朝前に田中アジア局長がミスターXと称する国家安全保衛部の幹部だと言われる人と行った交渉と似ている。従って今回は結果が期待できるのではないか、という趣旨の報道がたくさん出ました。

                明らかにどこかの機関がリークしているとしか思えない。その国家安全保衛部の人間の固有名詞まで、裏交渉に出てきているのはこの人だ、この人はミスターXの部下だった、とか。

                何でそんなことが分かるのか、本人がそんな名刺を持っているのか、と思うくらい詳しくリークされています。

                私は局長級会談が終わって帰ってきた実務者の人に、「キム・ジョンチョルという名前がマスコミにどんどん出ている。国家安全保衛部の幹部だと言われている。その人が交渉に出てきているとマスコミは書いているけどいたんですか」と聞いたら、「宋日昊が交渉が始まる時に、『今回のメンバーを紹介します』と言って紹介した。その中にはキム・ジョンチョルという人はいませんでした」という答えをもらいました。

                秘密交渉の相手の固有名詞が表に出ること自体おかしなことですが、今回の特別調査委員会でも、委員長はソ・テハ国防委員会安全担当参事兼国家安全保衛部副部長だと報道されました。マスコミの一部で、国家安全保衛部は秘密警察で、秘密警察だから秘密に詳しいというような論調で、国家安全保衛部という秘密警察が表に出てくるのは珍しいと解説する人もいましたが、そういう解説は正しいですか。

                惠谷 2012年以降の金正恩政権が国家安全保衛部を訪問したという報道があります。しかし、金正日時代は一切ありませんでした。金正日までは、秘密を本当に秘密として保っていました。金正恩になって、行ったところをはっきり言う。それが秘密警察であっても、自分はそこに行ったと。北朝鮮の報道がそうなっています。そういう意味では、金正日時代のような力はないんじゃないかと思います。

                西岡 秘密警察というのは、存在自体を隠していると思います。今、国家安全保衛部の部長は金元弘(キム・ウォンホン)で、「労働新聞」にも名前が出ていて、秘密でも何でもないんです。

                正しく略称で言うなら「政治警察」です。つまり一般犯罪は扱わないんです。政治犯罪だけを扱う。もっと言えば「主体思想」に反するようなことをやっているかどうか。政治犯を捕まえて収容所に入れる。有名な政治犯収容所は国家安全保衛部が管理しています。

                そこで、国家安全保衛部と朝鮮労働党とどっちが強いのか。政治警察と党はどちらが上なのかということですが、チャートで言っても国家安全保衛部は下ですよね。

                惠谷 現在はこのチャートの通りなんです。しかし、金正日時代は、国家安全保衛部の部長もゴシックになる、つまり金正日が部長を兼務していました。だから金正日時代の独裁体制は非常に強固だった。

                ついでに言えば、人民武力部の総政治局長もある時期金正日が兼務していました。現在はそういうことがなくて、国家安全保衛部の部長は金正恩ではなく、金元弘という男です。

                この党と国家安全保衛部の関係だけを言いますと、このチャートの線でお分かりのように、国家安全保衛部は国防委員会という国家機関の統制下にあるということで、党が出てくれば国家安全保衛部であれ、党の統制、指示に従わなければならない。しかし、金正日時代はそうではなかったということです。


                ◆党組織指導部が党、政府、軍、工作機関の人事権を持ち、検閲する

                西岡 私の友人で、韓国にいる脱北者で、国家安全保衛部に勤めていた人がいます。保衛部で車の密輸で外貨稼ぎをやっていたんですが、その人に、「端的に言って組織指導部と国家安全保衛部とどちらが強いんだ」と聞いたんです。そしたら、「何言ってるんですか組織指導部に決まってるじゃないですか」と保衛部出身者が言いました。

                「簡単に言うとこうですよ。誰を捕まえにいくかを決めるのが組織指導部で、捕まえに行くのが保衛部です。そう考えればいいんです」と。つまり組織指導部というのは党と政府と軍、そして工作機関のすべての人事権を持っているんです。人事のファイルはそこにある。もちろん決裁は最高指導者がしますが人事はそこで決める。

                それだけじゃなくて、検閲官がいる。主体思想、党の唯一指導体制に逆らうことをやっていないかどうか検閲する権限は組織指導部にあるんです。検閲するためにどこに行ってもいいわけです。そして誰が政治犯かを決める権限がある。

                つまり、誰を捕まえるかを決めるのが組織指導部で、捕まえに行くのが保衛部だと言われたんですがその説明は正しいですか。

                惠谷 そうですね。全くその通りだと思います。今西岡さんが言われたように、人事権もあれば検閲権もある。この組織指導部が「党の中の党」と言われますが、最高権力機関と言っても過言ではありません。



                ◆2002年に嘘の死亡診断書を出した委員会と同じ

                西岡 つまりこのチャートで言うと、国防委員会と国家安全保衛部が特別調査委員会の主要組織で、国防委員会が権限を付与したことになっていま。それで私は色々調べてみました。

                国防委員会はこれまで拉致被害者の調査をやったことがあったのか、今回が初めてなのかと思ったら違ったんです。これは拉致問題対策本部のホームページに入っている資料ですが、2002年の9月末から10月初めにかけて、最初の拉致被害者に関する調査団が北朝鮮を訪問します。

                その報告がホームページに入っているのですが、北朝鮮がどのような調査をしたかの説明が出ています。これは2002年9月17日に北朝鮮が日本に通報した「5人生存、8人死亡」という調査結果は、どのような調査の結果なのかということです。

                「北朝鮮外務省の馬哲洙(マ・チョルス)アジア局長から概要以下の通り説明があった」として、「調査経緯」で、「これまで朝鮮赤十字会の主幹のもとで日本人行方不明者の消息調査が断続的に行われてきた。しかしこの事業は、当時の日朝間の雰囲気の影響を少なからず受けたし、また、日朝関係の悪化とともに低調になっていた」、「2002年3月、朝鮮赤十字会は日本人行方不明者に対する調査を再開し、政府も協力した。最近の一連の日韓間の接触および会談により、日朝関係が成熟し、日朝関係改善への日本の意図を真摯なものと評価し、それにふさわしい誠意を示すべきと考えた」。

                彼らが誠意を示すと考えた結果が「8人死亡」だったという意味です。そして次、「(2002年)8月初め、共和国国防委員会指導部の指示により、特別調査委員会が設置され、これまでをはるかに上回る最大規模の全面的な調査が行われた。結果は9月16日に集計され、安否については17日に伝えた通りである)と言っています。

                「共和国国防委員会指導部の指示より、特別調査委員会が設置され」た、と言って、「これまでをはるかに上回る最大規模の全面的な調査が行われた」と言っているのが偽の死亡診断書だったり、偽の遺骨だったりしたということです。

                それと今回がどう違いがあるのか。まさに国防委員会のもとでの調査委員会というのは2度目じゃないかということです。今回の目玉は国家安全保衛部が入ったことだと言うんですが、国家安全保衛部は党の3号庁舎、工作機関に対して権限はないんです。



                ◆特別調査委員会は工作機関を調査できない

                このことは、「産経新聞」に、党3号庁舎の中の統一戦線部事業部で働いていた張真晟(チャン・ジンソン)さんがこの説明概要を読んで、こんなでたらめがあるかと言って原稿を寄稿しました。

                実はこの説明書が出た日に、私が全部朝鮮語に翻訳して彼に送ったんです。彼の意見を聞こうと思ったら、全く私と同じ意見で、党が国家の上にあるのに国家機関しか入っていないということは、全く意味をなさない、と。特に、国家安全保衛部は党の課長以上の幹部及び工作機関には権限がない、と。そして、組織指導部のもとにある機関が党の課長以上の幹部及び工作機関を管轄している、と統一戦線部にいた人が言っているんです。

                拉致はどこがやったのか。統一戦線部はよど号グループを指導しているわけです。よど号グループに拉致された有本さんたちは統一戦線部に管理されている可能性が高い。そこにいた人が、国家安全保衛部には権限がなかったと言っているわけです。

                西側でも政治警察というのは、スパイを捕まえるところなんです。アメリカで言うとFBIです。日本でもスパイを捕まえる警察庁の公安部というのがあり、大変力があります。それに対して工作機関というのは、アメリカで言えばCIAです。海外に対して工作を仕掛けたり、海外の情報を取ってきたりする。

                アメリカでもFBIはCIAの作戦文書を読むことはできません。国内に入ってきたスパイを捕まえる部署は、海外で工作する部署に対して権限はないんです。当たり前のことなんです。西側でもそうですが、北朝鮮ではもっとそうなんです。

                なお全体を見ることができるのは組織指導部だけです。まさに張真晟さんも、組織指導部が工作機関と党の課長以上を管轄していると言っています。このことについてどうですか。

                惠谷 全くその通りで、今回の特別調査委員会には色々な組織が関わっていますが、この中で最高権限を持つのは国家安全保衛部です。しかし、3号庁舎の中に4つの工作機関がある。党調査部の工作員が原敕晁さんを拉致したのは証言から間違いないと思います。しかし、特別調査委員会が党調査部に対して調査権限があるかというと、それはないとしか言いようがありません。

                その意味では、拉致がどこまで明らかにされるかについては期待できないと言えると思います。

                西岡 念のため、張真晟さんのコメント(「産経新聞」2014.07.05 「特別委」は目くらまし 犯罪者が自分の犯罪を再調査する愚行)を読み上げたいと思います。



                ◆犯罪者が自分の犯罪を再調査する愚行

                北朝鮮の特別調査委員会の構成を見て、私は目を疑った。日本人拉致事件の主犯は対南工作部署なのに、国内政治監察組織の国家安全保衛部副部長が委員長として登場したからだ。

                きちんとした調査委にするなら、保衛部も一般人を監視する人民保安部も最初から外すべきなのだ。なぜなら、拉致を行い、今でも被害者を直接管理している朝鮮労働党対南工作部署は、保衛部や人民保安部の管轄領域の外にある特殊機関だからだ。

                閉鎖社会である北朝鮮では、労働党の課長以上の幹部と対南工作部署の要員を別途、蒼光(チャングァン)保衛部と蒼光保安部が監視、管理している。「蒼光」とは中央党庁舎と幹部社宅が密集する平壌市内の通りの名前で、蒼光保衛部と蒼光保安部は、労働党の最高権力を握る組織指導部の直属である。

                日本人拉致被害者は対南工作部署に所属しているので、蒼光保衛部、蒼光保安部の「管理人物登録台帳」(名簿)に含まれている。ところが北朝鮮は、行方不明者について「人民保安部による(一般人を対象にした)住民登録台帳」で調べると説明した。

                北朝鮮は初めから嘘をついているのだ。

                北朝鮮の計略はこれだけではない。特別調査委員会から、拉致の主犯である朝鮮労働党の対南工作部署を外し、国家安全保衛部や人民保安部、国土環境保護省、保健省、朝鮮赤十字会などを調査委に含めた。拉致調査は対南工作部署で十分なのに、調査を全国規模に拡大したことにも大きな企(たくら)みが潜む。

                国防委員会は「特別な権限」を持っているという前提も嘘だ。なぜなら国防委は北朝鮮の先軍政治を強調するための象徴的な機構にすぎない。北朝鮮で国防委員の任命から解任までできる特権を持っているのは党組織指導部である。



                西岡 全く同じ意見です。この構成や権限については2002年の調査と同じだと一言で言えるということです。但し、そもそも調査などする必要がないので、この委員会をこういう構成にしたのは、結果として出してくるものを権威を持たせるためです。保衛部が入っている、国防委員会が入っているということを日本で広く宣伝させて、次に出してくるものに権威をつけようとしてやっているに過ぎないと思うんですが、マスコミの多くはそれに流されている。テレビに出てくる解説者の多くもそれに流されているという点で危機意識を持っています。

                (4につづく)

                 

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                北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告2

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                  北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告2

                   ★☆救う会全国協議会ニュース★☆(2014.07.23)


                  ■北の「特別調査委員会」をどう見るか

                  ◆北朝鮮も共産主義国家

                  惠谷 今、西岡さんから紹介がありましたが、私は北朝鮮を始める前にソ連の共産主義を研究していまして、その間、ソ連との比較のために北朝鮮に行ったことがあります。その時は、西岡さんが言われたように北朝鮮に行くための一時パスポートを申請して、北朝鮮一国だけのパスポートで渡航しました。

                  当時は冷戦時代ですから、共産主義国家と資本主義国家があり、共産主義国家つまり共産圏は、まだラオスは行っていませんが、後はアルバニアやキューバも含めてすべての共産主義国家を見てまわりました。

                  西岡 ベトナムやカンボジアも。

                  惠谷 そうです。最近若い20代の人から、「冷戦って何ですか」という質問がありました。もう中国では「毛沢東ってだれ?」、ロシアでは「レーニンってだれ?」という時代になりました。

                  5年か10年前は、日本の高校生くらいの女性が「日本が昔アメリカと戦争したって本当?」と聞かれて、その認識に驚いたことがありました。最近はもう冷戦が歴史のかなたの状況です。その時、冷戦というのは、共産主義国家と資本主義国家が二つに分かれて競争していたと説明すると、「共産主義って何?」という時代です。

                  その冷戦のベースになった共産主義について日本人はなかなか理解していなくて、今中国はれっきとして共産主義国家ですが、旅行に行く方もビジネスで行かれる方も、全く共産主義というものを念頭に置かず、「なかなか発展してるじゃない」という印象で帰ってこられます。

                  しかしこれは大間違いです。中国は経済の面では共産主義をやめて政治の面だけが歴然とした共産主義を保っているということです。



                  ◆党が国家を指導する共産主義国家

                  西岡さんも言われましたが、共産主義の根本は何から何まで党が国家を指導することです。日本の例ではおかしいのですが、日本では国会で色々な討議をしますが、その国会よりも自民党の方が上に立っている。だから国会決議でも自民党は何とでもできるというのを共産主義に置き換えれば分かりやすいと思います。

                  西岡 北朝鮮では最高人民会議が開かれる前に、労働党中央委員会総会がいつも開かれ、そこで予算や人事が決められた後、それを国会が追認する。自民党であれば、総務会で国会に出す法案を決めるわけですが、そうではなくて、先に中央委員会総会を通らないと国会は承認することさえできないんです。

                  惠谷 しかも国会の期間は1日ですから、討議も何もありません。しかし、最高人民会議という北朝鮮の国会が選出したのが国防委員会という組織のメンバーです。

                  もう一度話を戻すと、共産主義国家では憲法はさほど重視されていませんが、その憲法。

                  西岡 憲法より党規約が上ですからね。

                  惠谷 そうですね。その憲法11条は、「朝鮮民主主義人民共和国は、すべての活動を朝鮮労働党の指導のもとで行なう」ということです。これは党が国家を指導するという形で、すべての権力の頂点に立つのは朝鮮労働党だということを書いているわけです。

                  これはソ連の共産主義システムを導入した結果です。旧ソ連憲法では、第6条第1項で、「ソビエト社会を指導し方向づける力であり、その政治システム、国家機構および社会団体の中核であるのは、ソ連共産党である」とあります。ここでは上にあるとは書いてなく「中核」と書いていますが、現実は上にあるのが共産党ということです。私は何十回もソ連に行きましたので、肌でよく分かっています。

                  いすれにしろ、共産主義国家の特徴は党が国家の上にあるということです。



                  ◆以前は事務所もなかった「国防委員会」−北朝鮮の権力構造

                  北朝鮮の権力構造をチャートにしました(配布資料)。このチャートは自信作です。マル秘にして使われないようにしたいくらいです。

                  左側、上側が権力が強く、右、下に行くに従って権力が弱くなります。左上に朝鮮労働党中央委員会があります。その下に書記局と政治局があります。これはソ連でも中国でも同じです。書記局では政策などを書記が選んでそれを政治局で討議する。つまり、何を決定するかを決めるのが書記局で、その局長、北朝鮮の場合は第一書記が金正恩です。金正恩が一番権力が強いということです。

                  書記局第1書記、その右となりに政治局常務委員、次に党中央軍事委員会委員長、国防委員会第1委員長、その左下に朝鮮人民軍最高司令官、これが金正恩の肩書で、権力のすべてを金正恩という32歳の男が握っている。これが個人独裁を示していると言えると思います。

                  党中央軍事委員会には様々な部局があります。党組織指導部、党宣伝煽動部、党3号庁舎、こういう組織が20前後あります。その中でもこの党組織指導部が最高権力です。

                  共産主義国家というのは理念的には平等国家をめざしましたが、北朝鮮にはそういうものはないんですが、党中央軍事委員会の部局にも格差、上下関係があります。その最高位にいるのが党組織指導部です。

                  宣伝煽動部もそこそこの権力はあります。次いで3号庁舎です。これは最近組織が変更されて、工作機関を担当します。その中に、党調査部、党連絡部、党作戦部、党統一戦線事業部があります。

                  ここでついでに言っておきますが、今回の特別調査委員会のメンバーとして朝鮮赤十字会というものが入っています。素直な日本人は、北朝鮮にも赤十字があるんだと、ちゃんと人道的な手配をしてくれるかもしれないと思うかもしれませんが、党統一戦線事業部という謀略組織、工作組織の傘下にあります。事務所も看板もなく、その時々にこの男が書記長です、事務長ですという登場の仕方をします。全くの幽霊団体です。

                  西岡 脱線ついでに、朝鮮キリスト教協議会とか、朝鮮カソリック協議会とか、仏教団体もありますが、全部統一戦線事業部の下にあります。これは事務所があります。担当の指導員がいて、委員長は指導員にぺこぺこしていると言われています。

                  惠谷 宗教でいうと、最近ロシア正教もできました(笑)。

                  中朝は今仲が悪いんですが、今年になって中ロは大変仲がいいですね。昨年の交流はほとんどゼロと言ってよかったんですが、今年に入って高官が訪朝しています。北朝鮮は110億ドルの借金があったんですが、ロシア議会は100億ドルをチャラにして、10億ドルだけ返せばいいという大盤振舞をしています。

                  話がずれましたが、朝鮮労働党中央委員会とは別に、党中央軍事委員会という軍事政策を決定する機関があります。その左に、今話題の国防委員会がありますが、この二つを説明します。

                  国防委員会の第1委員長がありますが、金日成が死んだ時に、金日成は国家主席という地位にいました。国家元首、大統領に相当するポジションです。しかし、孝行息子である金正日は、父親の称号を自分が継承するわけにはいかないと、国家主席という職責を永久欠番にしました。

                  そうすると自分が総書記になって国家を代表する職責がどこにあるのかという時に、この国防委員会が目にとまったわけです。父親が元気なころ、この国防委員会は開店休業状態で何もしていませんでした。しかし、その委員長になることで自分は国家主席の代わりに国家を代表する人間であるという言い方をするようになりました。

                  その結果、その左にある党中央軍事委員会が開店休業状態になりました。ですから韓国の新聞は「金正日(国防委員会)委員長」という表現をずっと使っていました。ところが金正日が死んで金正恩の時代になって、金正恩も孝行息子のふりをして、父親の国防委員会委員長は恐れ多いからと、自分は第一委員長だと言って国家元首の職にいるわけです。

                  西岡 委員長と第一委員長には上か下かということがあるんですか。第一副委員長ならまだ分かりますが。

                  惠谷 第一とつけば第二もあるので委員長の方が格が上であるのは間違いないですね。今冷静におちょくっているわけですが、国防委員会も現在機能しているのかどうか分かりません。しかし、最近の最高人民会議では、人事も新しくなりました。

                  以前はこの国防委員会も事務所がなかったようですが、最近の情報では事務所ができたようです。よくは分かりません。

                  しかしその左隣にある党中央軍事委員会、この党の中央軍事委員会がすべての上に立ちます。今チャートでは党中央軍事委員会から国防委員会に矢印が入っていませんが、この関係は現状が今分かりませんのであえて線を引きませんでした。しかし、下にあることは間違いありません。

                  そしてその党中央軍事委員会が指揮、統制するのが朝鮮人民軍であり、人民武力部(国防省)です。当然その最高司令官が金正恩ということです。その右の一番上が最高人民会議、これがある意味で国家機関です。投票率99.9%で代議員が選ばれます。

                  西岡 投票率が99.9%で得票率は100%ですね。昔は投票率も100%だったんです。惠谷さんや一部の専門家が病院の患者もいるし海外にいる人もいるのに投票率も100%はおかしいじゃないかと書いたら、ある時から投票率だけは99.8%とかになりました。そして得票率は100%に。



                  ◆「特別調査委員会」は3号庁舎を調査できない

                  惠谷 信任投票なんです。我々は投票用紙に名前を書きますが、北朝鮮では書く必要がない。気に入らなければ×にするんです。その作業をして投票箱に入れると、あいつが反対したとすぐわかる。ですから反対がない。それはソ連も一緒でした。ゴルバチョフになってから変わりました。

                  さて、最高人民会議が、国権を代表するとか色々な表現がありますが、憲法上
                  28は最高人民会議常任委員長が国家元首です。例えば北朝鮮に赴任する大使の信任状を受け取る。そういう煩雑な作業をしたくないので金正日は国防委員会委員長になったと言われています。その最高人民会議で内閣総理や大臣等が専任されます。形だけは検察庁の人事もします。

                  このチャートでは、国防委員会の下に国家安全衛部があります。はっきり言えば秘密警察です。その右に人民保安部。これは内務省ないしは警察ということです。

                  また国防省といわずに人民武力部ということで、部長がトップ、その下に局長で日本とはイメージが逆になります。もう一つ北朝鮮で大事なことは部長は一人ですが、第一副部長というのは何人いるか分かりません。例えば国家安全保衛部となると、大きい組織ですから3〜4人、あるいはもっといるかも分かりません。

                  そしてその下に副部長がいます。一人の第一副部長につき、副部長が数人いますので、副部長はうんざりするほどいます。その下に政治局長、これは局長一人です。しかし、政治担当者というのは思想統制、検閲など重要な役割をします。下にありますが、権力は部長と並ぶくらいです。これが北朝鮮の特徴です。

                  内閣府は日本のイメージと同じようなものですが、行政には権限はありません。こういう北朝鮮を理解していただいた上で、もう一度国防委員会が特別な権限を付与したのが今回成立した「特別調査委員会」ということになります。

                  ということは、この「特別調査委員会」には、党に対する権限がなにもないわけです。拉致をしたのは党の組織です。3号庁舎の連中です。しかし、特別調査委員会はそこを調査できない。これは北朝鮮の政治システム上そうなると言えます。

                  ですから、どういう答えが今度あるか分かりませんが、西岡さんが言うように、あまり期待できないというのがこのチャートから読み取れるということです。

                  (3につづく)

                   

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                  北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告1

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                     ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

                    (2014.07.22)


                    北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告1


                    以下は7月17日に救う会・救う会東京が主催し、東京・文京区民面センター実施した東京連続集会80のご報告です。

                    政府は北朝鮮が拉致等に関する「特別調査委員会」を立ち上げたとして、その構成や4つの分科会、各分科会の責任者等、調査の形式や方法について発表し、また日本側はこれを受けて一部の制裁を解除しました。最初の調査結果は、夏の終わりから秋の初めにかけて日本側に通告されることになっています。

                    今回は、この委員会の問題点と今後予想される展開について、西岡力救う会会長とジャーナリストの惠谷治さんに解説してもらいました。



                    ■北の「特別調査委員会」をどう見るか

                    ◆すべての拉致被害者を返す決断をしたという兆候なし

                    西岡 みなさんこんばんは。一言で言うと大変緊張しています。何が起きるだろうか、と。期待はあまりないです。不安、心配が多いのです。しかし、膠着状態ではなくなった。動きが出てきたことだけは評価できます。しかしそれが、肯定的評価になるのか、否定的評価になるのかも含めて、まだ分からないと思っています。

                    特に今、精力的に情報収集活動をしています。今朝まで海外にいました。明日また出かけますが、色々な人に会いに行きます。私のいままでの情報源をぐるっと回って、今一体どうなっているんだということを調べつつあるんですが、どの人に聞いても、どの情報源でも、金正恩政権がすべての拉致被害者を返す決断をしたという兆候や証拠はいっさい出てきません。

                    もちろん、深いところで秘密交渉がなされているのであれば、私の不安が杞憂であるならば、どんなに嬉しいことかと思いますが、何が起きるか分からないので、一体どんな嵐が来るのか、船が転覆するような嵐が来るのかどうか、今の段階では頭の整理をしたいと思います。

                    我々は民間ですので発言の自由もありますから、悪い方向から見たらどう見えるのかということも考えながら、そういう場合にどうすればいいかということを考えたいと思います。

                    家族の方たちも来ておられる中ではありますが、もちろん国民の熱い感情も必要ですが、正確な、そして冷静な情勢認識の二つがないと解決ができないので、今日は冷たい心で分析をしていきたいと思っています。



                    ◆人の往来に関する規制解除が一番の狙いか

                    前回からの大きな動きは、7月1日に日朝政府間協議が行われて、北朝鮮側から特別調査委員会について説明が行われたということです。お手元の資料に、日本側代表団が作った「北朝鮮側からの説明概要」というものがあります。

                    これは北朝鮮側の説明を日本側が聞いて、概要として公表したものです。日朝
                    が合意した文書ではありません。今回の日朝協議は、前回の日朝合意に基づいて北朝鮮が特別調査委員会を作る。そして調査を開始する。その時点で日本側は3つの制裁を解除するということを合意したわけです。

                    そして日本側はその特別調査委員会を権威あるものであることを、実質的に調査が行われているものであることを、彼らの説明を聞いた後判断して、それで制裁を解除すると言っていたわけです。

                    ですから、現場で制裁を解除すると通告しないで、彼らの説明を聞いて、まとめて、「これを安倍総理に報告します、これでいいですね」と言って、北が「これでいいです」と言った文書がこれです。

                    北朝鮮は口頭で読み上げたそうですが、原稿を持っていたというからもんできた文章だと思います。それを日本に持ち帰り、安倍総理以下が判断して、本当に調査が行われるということを認めるということで3つの制裁を解除しました。

                    念のためその3つを言います。一つは人の往来に関する規制を解除した。今、北朝鮮国籍者の日本入国は原則として禁止されています。北朝鮮の船員は、今入港禁止ですから来られないのですが、普通は別の船に乗って船員手帳を持っていればビザがなくても入国できるんですが、それもさせないようにしていました。

                    但し在日朝鮮人は、北朝鮮を支持する人たちは既に日本に住んでいるので、入国禁止はできない。日本は自由民主主義国家ですから、彼らを強制追放することもしません。

                    彼らに対しては例外ですが、在日朝鮮人の中で北朝鮮の政策に責任がある北朝鮮の国会議員、最高人民会議の代議員を兼ねている朝鮮総連の幹部とそれを補佐する立場の総連の副議長には、日本からの出国は認めるが出国した後の再入国許可を出さないという規制をかけていました。一度行ったら片道切符で帰ってこられない。

                    彼らは永住許可をもらっているんです。よく永住権と言いますが、そんなことはないんです。永住は許可なんです。権利ではない。どの外国人を永住させるかは主権国家が決めることなんですが、永住許可を与えている。その許可は出国するとなくなるんです。永住したいといって行ったけれど帰りますと言っても、その許可は取り消しになるんです。

                    しかし、一時出国するけど戻ってきたい、永住許可はそのままにしてくださいという人に対して再入国許可を出します。その再入国許可を今朝鮮総連の幹部で最高人民会議の代議員を兼ねている人とそれを補佐する副議長には出さないという制裁をしていました。例えば、許宗萬(ホ・ジョンマン)朝鮮総連議長は北朝鮮に行けなかった。それを解除した。これはちょっと悔しいです。国会議員は北朝鮮の政策に関係しているわけです。

                    本来ならすべての在日朝鮮人の北朝鮮との往来を禁止してほしいというのが私たちの主張でした。しかしそこまでは今いってないわけです。

                    なお、日本の公務員は基本的に北朝鮮には渡航禁止です。但し国会議員はどんどん行っています。彼らは事実上制裁破りをしていると言われてもしかたがないと思います。それ以外の日本人については渡航の自粛を求めています。それは全部なくしてしまいました。

                    金丸訪朝(19990年)以前は、北朝鮮に渡航する時は、外務省で特別にパスポートを貰わなければいけなかったのです。そうですよね。

                    惠谷 はい。私ももらいました。

                    西岡 前は、普通に貰う日本のパスポートには「エクセプト ノースコリア(北朝鮮を除く)」と書いてあったのです。北朝鮮に行く人は日本政府としては安全が保障できないとして、どうしても行く人は北朝鮮に行くだけのパスポートを貰いに来なさいということをやっていたんです。

                    拉致をして、「死んだ」と言って未だに返さない国は、金丸訪朝以前と同じくらい危険なのだからそこに戻せというのが救う会の主張でもあったのです。しかし、金丸訪朝以降「エクセプト ノースコリア」がなくなり今に至っています。

                    しかし、北朝鮮がミサイルを発射したり、核実験をしたり、拉致問題で誠実な対応をしなかったということで国民には北朝鮮への「渡航自粛」を求めていました。入管に行くと紙が貼ってあって、北朝鮮への渡航は自粛してくださいとあります。それだけですが。でもそれもなくなった。

                    彼らが今回求めた一番大きなものはこれだはなかったかと思います。それが切られてしまったのは少し残念です。


                    ◆小包程度の人道支援物資を運ぶ船だけ許可

                    二つ目は船です。今は、万景峰号を含むすべての北朝鮮船籍の船の入港を禁止しています。これをするために日本になかった特定船舶入港禁止法という法律をまず作って、その法律を適用して入国禁止になったわけです。しかし、今回その一部を解除した。

                    但し、万景峰号については解除していない。また人を運ぶ旅客船はだめで、運ぶことが許されるのは、人道支援物資ということでした。その人道支援物資は、私は大規模な米支援も許されるのかと思ったのですが、そうではなくて、朝鮮総連の人たちが個人的に自分の親戚などに今も小包で送っているんです。そういうものならいい、と。セーターなら4枚とか、そういう制限があるそうです。

                    今でも貿易は全面禁止ですから、船が入ってきても貿易用のものは載せられないわけです。では小包で送った方がいいんじゃないかとなるくらいの小さな解除だという説明でした。


                    ◆北朝鮮にとってこの次が勝負

                    3つ目が送金及び携帯金の届出金額の上限に関する規制です。我々は送金を全面的に禁止するよう要求しました。外国為替法改正案が通ったことで、全面的に送金を禁止する権限が日本政府にあるにも関わらず、これまでも送金の禁止はしていなかったのです。

                    ただ、送金が300万円を超える時は届出をしなければならない。現金持ち出しが10万円を超える時は届出をしなければならないとなっていました。日本人も100万円以上の時は届出義務がありますよね。その届出の基準を普通に戻して、現金持ち出しが100万円以上に、送金報告義務が3000万円以上にとなりました。

                    これも麻生政権の時、ミサイルが発射された時に、なぜお金を止めないのかとずいぶん言ったのですが、「届出金額を下げることはそれだけ圧力になるんですよ。なぜならお金を持っていくこと自体は届出すれば合法なんですが、そのお金の出所に関心を持つことができる。脱税資金等を持っていくことに対して強い圧力になる」という説明をしていたので、その圧力が少し弱まるのはマイナスかなと思います。

                    しかし、もともと送金を停止していなかったという点からするとそれほど彼らにとってプラスでもない。つまり、人の往来だけ、朝鮮総連の幹部が行けるようになったということだけが彼らにとっての取り分だったのではないかと思います。

                    今回、金日成死亡20周年に許宗萬議長が行くと言っていたのに、行きませんでした。従って今の段階では、彼らは制裁の解除を取りましたが、実質的には何もプラスになっていない。船も来ていません。

                    しかし、その見返りに彼らは「特別調査委員会」を立ち上げた。彼らはこの3つの見返りでわざわざこんなことはしないでしょうから、何か出してくるだろうと思います。この次が勝負ということになると思います。


                    ◆共産党一党独裁国家では国家の上に党があるので党機関を指導できない

                    そこでこの特別調査委員会について、皆さんと一緒に検討したいのですが、この(配布資料の)「特別調査委員会に関する北朝鮮側からの説明概要」の権限について、「特別調査委員会は、北朝鮮の最高指導機関である国防委員会から、北朝鮮の全ての機関を調査することができ、必要に応じ参加関係機関及びその他の関係者をいつでも調査に動員することのできる特別な権限が付与される」と書い
                    てあります。

                    これについてマスコミの多くの解説者は「最高指導機関である国防委員会」の第一委員長は金正恩氏だから、北朝鮮の中で大変権威のある委員会ができたと解説していましたが、私はこれを一目見て、こんなバカなことがあるか、こんなスカスカな特別調査委員会ではまともな調査なんかできないなと思いました。

                    それは、北朝鮮の最高指導機関というのは国家機関なんです。共産党一党独裁国家では、国家の上に党があるわけです。国防委員会は党を指導することはできないんです。これは共産党一党独裁国家を勉強している人間の常識なんです。

                    その辺のことを北朝鮮のことに詳しく、ソ連、中国、キューバに詳しく研究された惠谷治さんに来てもらい、北朝鮮の権力構造から、この国防委員会から権限を付与されたという特別調査委員会の位置づけについてお話しいただきたいと思います。

                    (2につづく)






                    ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
                    ■安倍首相にメール・葉書を
                    首相官邸のホームページに「ご意見募集」があります。
                    下記をクリックして、ご意見を送ってください。
                    [PC]https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken.html
                    [携帯]http://form1.kmail.kantei.go.jp/cgi-bin/k/iken/im/goiken.cgi

                    葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿

                    ■救う会全国協議会ニュース

                    発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
                    TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784  http://www.sukuukai.jp
                    担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
                    〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
                    カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
                    みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
                    ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

                     

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                    ご参考までに、動画です。

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                      ご参考までに。
                      動画です。

                      【拉致問題アワー】4.27 もう我慢できない今年こそ結果を!国民大集会Part1[桜H26/5/7]
                      http://www.youtube.com/watch?v=NUTOrUdvouI

                      【荒木和博】秋田の英霊に思う / 秋田・男鹿半島に見る拉致の痕跡[

                      http://www.youtube.com/watch?v=4YIKO74yQM0&feature=youtube_gdata


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                      ブルーリボンをつけた東京都知事を

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                        5千万円収賄疑惑で猪瀬都知事が辞任し、先日東京都知事選挙が告示されました。マスコミの世論調査では舛添要一氏と細川護熙氏が優勢なようです。

                        今回の都知事選挙、拉致救出運動の関係者は田母神俊雄氏を支援しています。家族会事務局長の増元照明氏、西村眞悟衆院議員、特定失踪者問題調査会の荒木和博代表など、錚々たる顔ぶれです。

                        北朝鮮拉致事件と都政は直接関係ないかも知れませんが、救出運動に自治体の協力は不可欠なのです。とくに東京都知事は国際的な注目も浴びます。オリンピックを控えているので猶更です。

                        また、危機管理の問題も重要です。不幸な原発事故の原因は「危機管理の欠如」にありました。拉致問題も日本の「危機管理の欠如」が招いたことは明白です。戦後日本には危機管理(=安全保障)が無かったのです。脱原発も結構ですが、原発を全廃したところでそれは危機が去ったことにはならないでしょう。最有力候補で自民党都連と連合から支援を受けている舛添要一氏は移民推進、外国人参政権推進という立場です。

                        最後に、田母神氏が北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」で北朝鮮の将軍に送ったメッセージをご紹介します。(荒木和博氏のブログから引用します)

                        呉克烈大将へ、田母神元航空幕僚長(予備役ブルーリボンの会顧問)からのメッセージ
                        私は元航空幕僚長の田母神俊雄と申します。呉克烈空軍大将に一言申し上げる。
                        私たちは北朝鮮に拉致されている何百人もの日本人を救出するための、元自衛官及び予備自衛官で構成する予備役ブルーリボンの会です。
                        2001年の小泉総理大臣の訪朝で5名の日本人拉致被害者が日本に帰国することが出来ましたが、その後1名も帰国することが出来ず、10年の歳月が流れました。
                        拉致された人たちは今なお祖国日本の土を踏むことが出来ないでいます。私たちはこのような状況を放置することが出来ません。何とかして拉致被害者を救い出したいと行動しています。日本政府に対し拉致被害者の救出に最善の努力をすることを申し入れると共に、我々自身が救出に向けて決起していこうと考えています。
                        北朝鮮のやった他国の国民を暴力的に拘束し行動の自由を奪うという、このようなことは許されることではないと思います。日本国民は北朝鮮のこのような行動に対して心の底から怒っています。今のままでは日朝関係の険悪な状態は継続し北朝鮮国民も日本の経済支援を受けることはできません。今の北朝鮮人民の極貧の生活は改善することがないでしょう。
                        あなたは、呉克烈大将は、軍の高官として快適な生活が保障されているかも知れません。しかし極貧の生活を送る一般の北朝鮮の人々に対し、あなたはなんら心の痛みを感じないでしょうか。私は、あなたはそういう人ではないと思っています。
                        私は元日本国航空自衛隊の航空幕僚長として日本の空軍を率いた経験を持っています。呉克烈大将ももかつて北朝鮮の空軍を率いた経験を持つので、我々はお互いに空の勇士であると思います。
                        我々は軍人同士であり、軍人は何が正義であるかはお互いに理解しあえる関係であると思います。呉克烈大将にどうか日本人拉致被害者を救うために、そして北朝鮮人民を救うために行動を開始していただきたいのです。
                        拉致問題がこれ以上長引くようであれば、日本政府もより一層北朝鮮に対し厳しい対応をすることになるでしょう。それは我々が望むことではないはずです。拉致問題を解決し、拉致被害者を日本に返すために呉克烈大将の力強い行動を、私は期待しております。
                        呉克烈大将の今後の行動に我々は十分注目し、あなたの行動に期待しています。よろしくお願いしたいと思います。
                        2012年1月10日
                        日本国航空自衛隊元航空幕僚長 田母神俊雄


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