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    北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告1

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       ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

      (2014.07.22)


      北の「特別調査委員会」をどう見るか−東京連続集会80報告1


      以下は7月17日に救う会・救う会東京が主催し、東京・文京区民面センター実施した東京連続集会80のご報告です。

      政府は北朝鮮が拉致等に関する「特別調査委員会」を立ち上げたとして、その構成や4つの分科会、各分科会の責任者等、調査の形式や方法について発表し、また日本側はこれを受けて一部の制裁を解除しました。最初の調査結果は、夏の終わりから秋の初めにかけて日本側に通告されることになっています。

      今回は、この委員会の問題点と今後予想される展開について、西岡力救う会会長とジャーナリストの惠谷治さんに解説してもらいました。



      ■北の「特別調査委員会」をどう見るか

      ◆すべての拉致被害者を返す決断をしたという兆候なし

      西岡 みなさんこんばんは。一言で言うと大変緊張しています。何が起きるだろうか、と。期待はあまりないです。不安、心配が多いのです。しかし、膠着状態ではなくなった。動きが出てきたことだけは評価できます。しかしそれが、肯定的評価になるのか、否定的評価になるのかも含めて、まだ分からないと思っています。

      特に今、精力的に情報収集活動をしています。今朝まで海外にいました。明日また出かけますが、色々な人に会いに行きます。私のいままでの情報源をぐるっと回って、今一体どうなっているんだということを調べつつあるんですが、どの人に聞いても、どの情報源でも、金正恩政権がすべての拉致被害者を返す決断をしたという兆候や証拠はいっさい出てきません。

      もちろん、深いところで秘密交渉がなされているのであれば、私の不安が杞憂であるならば、どんなに嬉しいことかと思いますが、何が起きるか分からないので、一体どんな嵐が来るのか、船が転覆するような嵐が来るのかどうか、今の段階では頭の整理をしたいと思います。

      我々は民間ですので発言の自由もありますから、悪い方向から見たらどう見えるのかということも考えながら、そういう場合にどうすればいいかということを考えたいと思います。

      家族の方たちも来ておられる中ではありますが、もちろん国民の熱い感情も必要ですが、正確な、そして冷静な情勢認識の二つがないと解決ができないので、今日は冷たい心で分析をしていきたいと思っています。



      ◆人の往来に関する規制解除が一番の狙いか

      前回からの大きな動きは、7月1日に日朝政府間協議が行われて、北朝鮮側から特別調査委員会について説明が行われたということです。お手元の資料に、日本側代表団が作った「北朝鮮側からの説明概要」というものがあります。

      これは北朝鮮側の説明を日本側が聞いて、概要として公表したものです。日朝
      が合意した文書ではありません。今回の日朝協議は、前回の日朝合意に基づいて北朝鮮が特別調査委員会を作る。そして調査を開始する。その時点で日本側は3つの制裁を解除するということを合意したわけです。

      そして日本側はその特別調査委員会を権威あるものであることを、実質的に調査が行われているものであることを、彼らの説明を聞いた後判断して、それで制裁を解除すると言っていたわけです。

      ですから、現場で制裁を解除すると通告しないで、彼らの説明を聞いて、まとめて、「これを安倍総理に報告します、これでいいですね」と言って、北が「これでいいです」と言った文書がこれです。

      北朝鮮は口頭で読み上げたそうですが、原稿を持っていたというからもんできた文章だと思います。それを日本に持ち帰り、安倍総理以下が判断して、本当に調査が行われるということを認めるということで3つの制裁を解除しました。

      念のためその3つを言います。一つは人の往来に関する規制を解除した。今、北朝鮮国籍者の日本入国は原則として禁止されています。北朝鮮の船員は、今入港禁止ですから来られないのですが、普通は別の船に乗って船員手帳を持っていればビザがなくても入国できるんですが、それもさせないようにしていました。

      但し在日朝鮮人は、北朝鮮を支持する人たちは既に日本に住んでいるので、入国禁止はできない。日本は自由民主主義国家ですから、彼らを強制追放することもしません。

      彼らに対しては例外ですが、在日朝鮮人の中で北朝鮮の政策に責任がある北朝鮮の国会議員、最高人民会議の代議員を兼ねている朝鮮総連の幹部とそれを補佐する立場の総連の副議長には、日本からの出国は認めるが出国した後の再入国許可を出さないという規制をかけていました。一度行ったら片道切符で帰ってこられない。

      彼らは永住許可をもらっているんです。よく永住権と言いますが、そんなことはないんです。永住は許可なんです。権利ではない。どの外国人を永住させるかは主権国家が決めることなんですが、永住許可を与えている。その許可は出国するとなくなるんです。永住したいといって行ったけれど帰りますと言っても、その許可は取り消しになるんです。

      しかし、一時出国するけど戻ってきたい、永住許可はそのままにしてくださいという人に対して再入国許可を出します。その再入国許可を今朝鮮総連の幹部で最高人民会議の代議員を兼ねている人とそれを補佐する副議長には出さないという制裁をしていました。例えば、許宗萬(ホ・ジョンマン)朝鮮総連議長は北朝鮮に行けなかった。それを解除した。これはちょっと悔しいです。国会議員は北朝鮮の政策に関係しているわけです。

      本来ならすべての在日朝鮮人の北朝鮮との往来を禁止してほしいというのが私たちの主張でした。しかしそこまでは今いってないわけです。

      なお、日本の公務員は基本的に北朝鮮には渡航禁止です。但し国会議員はどんどん行っています。彼らは事実上制裁破りをしていると言われてもしかたがないと思います。それ以外の日本人については渡航の自粛を求めています。それは全部なくしてしまいました。

      金丸訪朝(19990年)以前は、北朝鮮に渡航する時は、外務省で特別にパスポートを貰わなければいけなかったのです。そうですよね。

      惠谷 はい。私ももらいました。

      西岡 前は、普通に貰う日本のパスポートには「エクセプト ノースコリア(北朝鮮を除く)」と書いてあったのです。北朝鮮に行く人は日本政府としては安全が保障できないとして、どうしても行く人は北朝鮮に行くだけのパスポートを貰いに来なさいということをやっていたんです。

      拉致をして、「死んだ」と言って未だに返さない国は、金丸訪朝以前と同じくらい危険なのだからそこに戻せというのが救う会の主張でもあったのです。しかし、金丸訪朝以降「エクセプト ノースコリア」がなくなり今に至っています。

      しかし、北朝鮮がミサイルを発射したり、核実験をしたり、拉致問題で誠実な対応をしなかったということで国民には北朝鮮への「渡航自粛」を求めていました。入管に行くと紙が貼ってあって、北朝鮮への渡航は自粛してくださいとあります。それだけですが。でもそれもなくなった。

      彼らが今回求めた一番大きなものはこれだはなかったかと思います。それが切られてしまったのは少し残念です。


      ◆小包程度の人道支援物資を運ぶ船だけ許可

      二つ目は船です。今は、万景峰号を含むすべての北朝鮮船籍の船の入港を禁止しています。これをするために日本になかった特定船舶入港禁止法という法律をまず作って、その法律を適用して入国禁止になったわけです。しかし、今回その一部を解除した。

      但し、万景峰号については解除していない。また人を運ぶ旅客船はだめで、運ぶことが許されるのは、人道支援物資ということでした。その人道支援物資は、私は大規模な米支援も許されるのかと思ったのですが、そうではなくて、朝鮮総連の人たちが個人的に自分の親戚などに今も小包で送っているんです。そういうものならいい、と。セーターなら4枚とか、そういう制限があるそうです。

      今でも貿易は全面禁止ですから、船が入ってきても貿易用のものは載せられないわけです。では小包で送った方がいいんじゃないかとなるくらいの小さな解除だという説明でした。


      ◆北朝鮮にとってこの次が勝負

      3つ目が送金及び携帯金の届出金額の上限に関する規制です。我々は送金を全面的に禁止するよう要求しました。外国為替法改正案が通ったことで、全面的に送金を禁止する権限が日本政府にあるにも関わらず、これまでも送金の禁止はしていなかったのです。

      ただ、送金が300万円を超える時は届出をしなければならない。現金持ち出しが10万円を超える時は届出をしなければならないとなっていました。日本人も100万円以上の時は届出義務がありますよね。その届出の基準を普通に戻して、現金持ち出しが100万円以上に、送金報告義務が3000万円以上にとなりました。

      これも麻生政権の時、ミサイルが発射された時に、なぜお金を止めないのかとずいぶん言ったのですが、「届出金額を下げることはそれだけ圧力になるんですよ。なぜならお金を持っていくこと自体は届出すれば合法なんですが、そのお金の出所に関心を持つことができる。脱税資金等を持っていくことに対して強い圧力になる」という説明をしていたので、その圧力が少し弱まるのはマイナスかなと思います。

      しかし、もともと送金を停止していなかったという点からするとそれほど彼らにとってプラスでもない。つまり、人の往来だけ、朝鮮総連の幹部が行けるようになったということだけが彼らにとっての取り分だったのではないかと思います。

      今回、金日成死亡20周年に許宗萬議長が行くと言っていたのに、行きませんでした。従って今の段階では、彼らは制裁の解除を取りましたが、実質的には何もプラスになっていない。船も来ていません。

      しかし、その見返りに彼らは「特別調査委員会」を立ち上げた。彼らはこの3つの見返りでわざわざこんなことはしないでしょうから、何か出してくるだろうと思います。この次が勝負ということになると思います。


      ◆共産党一党独裁国家では国家の上に党があるので党機関を指導できない

      そこでこの特別調査委員会について、皆さんと一緒に検討したいのですが、この(配布資料の)「特別調査委員会に関する北朝鮮側からの説明概要」の権限について、「特別調査委員会は、北朝鮮の最高指導機関である国防委員会から、北朝鮮の全ての機関を調査することができ、必要に応じ参加関係機関及びその他の関係者をいつでも調査に動員することのできる特別な権限が付与される」と書い
      てあります。

      これについてマスコミの多くの解説者は「最高指導機関である国防委員会」の第一委員長は金正恩氏だから、北朝鮮の中で大変権威のある委員会ができたと解説していましたが、私はこれを一目見て、こんなバカなことがあるか、こんなスカスカな特別調査委員会ではまともな調査なんかできないなと思いました。

      それは、北朝鮮の最高指導機関というのは国家機関なんです。共産党一党独裁国家では、国家の上に党があるわけです。国防委員会は党を指導することはできないんです。これは共産党一党独裁国家を勉強している人間の常識なんです。

      その辺のことを北朝鮮のことに詳しく、ソ連、中国、キューバに詳しく研究された惠谷治さんに来てもらい、北朝鮮の権力構造から、この国防委員会から権限を付与されたという特別調査委員会の位置づけについてお話しいただきたいと思います。

      (2につづく)






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      葉書は、〒100-8968 千代田区永田町2-3-1 内閣総理大臣 安倍晋三殿

      ■救う会全国協議会ニュース

      発行:北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)
      TEL 03-3946-5780 FAX 03-3946-5784  http://www.sukuukai.jp
      担当:平田隆太郎(事務局長 info@sukuukai.jp)
      〒112-0013 東京都文京区音羽1-17-11-905
      カンパ振込先:郵便振替口座 00100-4-14701 救う会
      みずほ銀行池袋支店(普)5620780 救う会事務局長平田隆太郎
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