■核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ−特別集会報告4

0

      ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

     

    (2016.10.27)

     

    ■核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ

     

    −特別集会報告4

     

     

    櫻井 そこで、日本として具体的に何をすべきなのか。何ができるのか。例えば日本は有事に拉致被害者を救出するにしても、どこにいるかの情報を持っていないのではないかという状況の中で、なるべく今の現実にそって、一旦私たちは何をすべきか、その中で何ができるか、できないものは何なのかを仕分けして、できない理由を明らかにしてそこを変えていくことが大事なのだろうと思います。

    まず何をすべきなのかを専門の立場からおっしゃっていただければと思います。


    ◆北朝鮮有事の際の被害者救出訓練は始まっている

    恵谷 拉致問題の解決と軍事的な観点を結びつけるのは難しいと思いますが、一つだけ言えるのは、北朝鮮が有事になった場合、米韓軍に被害者の救出を頼むのは国家としてあってはならないことで、自らの力で取り戻したい。

    そういう意味での事前の担当舞台や隊員の訓練が大事です。これは現実的にはもう始まっています。市ヶ谷(防衛省)は認めないと思いますが、まだ法的な部分が残っています。そこをクリアーすれば、有事になった場合の米韓軍との交渉が非常に微妙になると思いますが、それも踏まえた上での関係の強化、コミュニケーションを円滑にやっていくことが大事です。

    少なくとも日米の軍関係は以前と比べれば比較にならないほどの緊密な連携になりつつありますが、問題は韓国軍です。ですから有事を意識した上での、軍事的な部分の関係を強化していくべきと思います。


    櫻井 問題は韓国側というのは、救出するにはまず情報を持っていなければなりませんが、情報面でも、具体的なオペレーションの面でも韓国とのコミュニケーションがうまくとれていないという意味ですか。

    恵谷 韓国軍としては、例えば陸上自衛隊と38度線を越えて共同作戦が可能になるのかどうか。自衛隊の特殊作戦専門の部隊が38度線以北での活動をする場合に、言葉の異なる隊員と動きたいと思った時に、韓国軍がどういう態度をとるか現状では全く分かりません。

    特に日本の場合、まだ法的にも確立されていませんから交渉もできないというのが現状です。

    櫻井 日本の国内法を見ても、こういうオペレーションは全くできないのが現実ですから、韓国の問題だけではなく、日本の問題でもあるということですね。今は自衛隊が行ってオペレーションをするということは全く考えられないわけですね。

     

     

    ◆有事救出に必用な憲法解釈のチャンスを逸した安倍総理

    島田 今の関連で、昨年安倍政権は新安保法制を通しましたが、あの時、集団的自衛権に関して、事実上の憲法解釈の変更をしたわけです。しかし、あの時の安倍政権の大きな失態は、北朝鮮で自衛隊が救助活動できるんだと、これも合わせて憲法解釈の変更をすべきだった。

    審議会の方はそういう答申を出しているんです。なくなった小松さんという法制局長官が主導して、「自国民が被害者になっていて、その国が保護するつもりがない時には自衛隊等を派遣しても憲法違反にはならない。国際法違反でもない」という、新たな憲法解釈を審議会段階で出したんです。

    安倍政権が何を考えたのか、そこまで出すと国会審議が混乱すると思ったのか、消してしまって、安倍さんが「それは憲法上できない」と言ってしまった。これは重大な過誤であったと思います。

    中山恭子さんなどは野党の立場で、「その憲法解釈はおかしい」ということを当初から言っておられました。憲法解釈を変えたことは過去にいくらでもあることですから、安倍政権の間にもう一度そこの部分を、「憲法上救出もできる」と解釈を変更すべきだと思います。

    反対する人はいないと思います。反対するのなら、「じゃあ憲法改正をすぐにやりましょう」という議論につなげるべきだと思います。拉致被害者救出は最優先課題だとほとんどの政党が言っているわけです。ところが、現行憲法では自衛隊を送って助けることができませんとなると、最優先課題が現行憲法では実現できないことになります。やはり憲法を変えないといけないのです。

    あと、サイバー攻撃。ドナルド・トランプ氏が、「自分が大統領になったら、敵対勢力に対する攻撃もしっかりやる」と公約しています。以前陸上自衛隊のサイバー担当の方に話を聞いたところ、「日本は専守防衛という立場から、ディフェンスだけで一切攻撃してはいけないことになっている」、「考えてもいけないことになっている」と言うんですが、北朝鮮が核ミサイルを発射しようとした時、サイバー攻撃で無力化できれば一番いいわけです。サイバー攻撃をしてはいけないという姿勢も改めてほしいと思います。

    もう一つ。これも外務省の関係者などに毎回言っていることですが全然実現されないのが、国連の場等で、「中国にも拉致被害者がいるじゃないかということを、もっと大きな声で言え」と。

    安保理の北朝鮮に対する制裁決議がなされる場合、日本政府としては常に「拉致」という言葉を入れて、それも制裁の理由に書き込むようにと提案しているわけですが、常に中国が、「拉致は日朝2国間の問題だから多国間の取り決めに入れるな」ということでつぶしてきた。

    その際に、「中国人の拉致被害者もいる。マカオから拉致された二人の女性を初め中朝国境で100人以上やられている」と言われているわけで、「中国も被害者がいるのだから一緒に助けよう」と言うべきなのに、中国政府自身が自国の拉致被害者がいることを認めてないので、「日本が言うと日中関係がぎくしゃくしかねないから日本からは言いません」というのが外務省の立場です。

    これは戦略的に全くおかしいと思いますし、外務省が態度を改めるべき点の一つだと思います。


    ◆米韓軍が北の治安を維持していれば自衛隊が助けにいける可能性が

    西岡 今の自衛隊の問題ですが、細い道があります。荒谷さんという初代の特戦群(特殊作戦群)群長が、荒木さん(特定失踪者問題調査会会長)が主催するセミナーで言っていたことです。

    今の自衛隊法では、当該国の政府が承認すれば邦人を輸送することができることになっています。北朝鮮が大混乱になった場合に、米韓軍が北進する5029作戦計画があります。その場合、米軍司令官が米韓軍の司令官になります。副司令官が韓国軍司令官です。国連軍の看板と二つの看板で行くわけですが、

    混乱状態の中で自衛隊だけが単独で作戦することは軍事上不可能だと思います。韓国軍の国防研究所の元所長に来ていただいた時に、「来られても迷惑だ」と言われました。「日本が同盟国でないので、作戦情報を共有できない」と。「作戦情報を共有してないところで部隊を動かすと、敵かもしれないと思って我々は攻撃するかもしれない」と。しかし、「韓国軍の作戦のミッションの中には、不法に抑留されている外国人を解放することも入る」と言われました。

    ただ、戦闘状態になっている時に、戦闘とは別のミッションを持った部隊を動かすのはかなり大変だということはよく理解できるんですが、米韓軍がほぼ治安を維持している場合、一部の地域でまだ被害者が工作機関員に抑留されて立て籠もっていたり、その可能性がある場合に、当該国政府というのは占領軍の司令官になるので米軍司令官が当該国政府になるという国際法上の解釈があり得る、ということです。

    イラクで政権が崩壊した後、米軍が出て行った時、米軍司令官が治安を維持している時に、あるマスコミ関係者、日本人の記者たちがあるところに閉じ込められていて、自衛隊で移送を要請して、自衛隊は米軍司令官の承認のもと、マスコミ関係者を移送した例がある。

    5029作戦計画が発動され、ある地域を米軍が完全に支配した中で日本人を移送するということが必要となった場合に、自衛隊を使うということは、細い道だけれどもあり得る。

    しかしそれでも被害者がいる場所というのは工作機関の中です。例えば金正日政治軍事大学には約千人くらいの一騎当千のテロリストがいるわけです。重火器もある。それを武装解除しにいくというのは大変なことです。

    そういう部分は、危険だから自衛隊が行きます、と。日本人がいるのだから、戦略的話し合いができれば、行けるのではないか。これは我々が10年くらい前からずっと政府に言い続けていることです。しかし、そういうことを準備しているということを北に知らせるのはよくないので、静かに準備してもらわなければ困ると言ってきました。

    平時に、米韓軍が動いていない時に自衛隊が助けに行くのは一つのオプションですが、それは具体的な情報がないとできない。抑留された直後なら分かりますが、なかなかそれは難しい。

    次に自衛隊が動けるのは北朝鮮が崩壊した時です。混乱が起きた時、米韓軍が動いた時にどうするか。まず集団的自衛権の問題をクリアーして、日本も一緒に戦うということを見せて、誰が助けるかということではなく、日米韓で軍事作戦をするという状況になれば、一番助けやすい人に助けてもらえばいい。

    集団的自衛権の行使さえもできないと言いながら、アメリカに何か頼むとか、韓国に頼むというのはあり得ないことです。それは一歩進んだとは思っています。

    あとは5029作戦計画が、日米韓の作戦計画になることができるのか。そこに行くためのプロセスがたくさんあるわけですが、それより先に崩壊してしまうかもしれないとすれば、できることは何なのかを静かにシミュレーションして準備してほしいと思います。

    これは中山恭子さんが第一次安倍政権で補佐官だった時に、「できる限りの準備はしています」と私は聞いています。それ以降10年経っているわけですから、できることは何なのかについて区分けと準備は一定程度されているのではないかと期待しています。

    櫻井 今軍事の面を中心に答えていただきましたが、軍事的な手段まで考えなければ拉致問題が解決できない局面まできているのか。その前に打てる手はないのか。もちろん軍事的背景をきちんと持っておくことが外交においてとても重要だということは認めますが、今の日朝関係の中で、5029作戦に行く前に、私たちができること、またすべきこと、障害は何かについてもお話いただければと思います。

    (5につづく)


    [クリック!]

    スポンサーサイト

    0
      • 2017.03.16 Thursday
      • -
      • 10:46
      • -
      • -
      • -
      • by スポンサードリンク

      [クリック!]
      コメント
      コメントする








         

      PR

      calendar

      S M T W T F S
         1234
      567891011
      12131415161718
      19202122232425
      262728293031 
      << March 2017 >>

      recommend

      recommend

      links

      profile

      selected entries

      categories

      archives

      recent comment

      search this site.

      others

      mobile

      qrcode

      powered

      無料ブログ作成サービス JUGEM