【謹告】

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    救う会福岡の代表・馬場能久は、急病のため、12月5日より緊急入院しております。病室の関係上、家族以外との面会や、携帯電話による外部との連絡が取れない状態が続いており、関係各所にご迷惑をおかけしております。

     

    本人はしっかりしており、会話も問題ありません。年内には病室も移り、面会等も可能になる見込みです。

     

    馬場代表の指名により、副代表の藤井守人が、しばらく代表代行を務めることとなりました。また、当会に対しご連絡がある場合は、事務局次長の本山までお願い申し上げます。

     

    以上、今後とも拉致被害者救出運動へのご支援を宜しくお願い申し上げます。


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    朝鮮学校 「拉致問題」記述の独自教科書使用を撤回

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      朝鮮学校生徒ら学費補助問題 朝鮮学校


      「拉致問題」記述の独自教科書使用を撤回

       

      tvkニュース(テレビ神奈川) 11/22(火) 18:22配信

       

      http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161122-00010001-tvkv-soci

       

      来年度、朝鮮学校で使用する教科書に「拉致問題」の記述が確認できていないことから県が、生徒らの学費補助を一旦、見送っている問題。朝鮮学校側はこれまで、県に対し、拉致問題を盛り込んだ独自の教科書を使用すると回答していましたが、一転してそれを撤回すると申し出ていたことが分かりました。

       

      この問題は、先月、県内の朝鮮学校を運営する「神奈川朝鮮学園」が来年度以降の教科書を改訂することが困難になったと県に伝え、それにより、県が、県内の朝鮮学校に通う児童・生徒の学費補助の交付を見送っているものです。県はこれまで、補助金の交付の前提として、教科書を改訂し、来年度以降は、「拉致問題」の記述を入れることを要望していました。朝鮮学園は、今月7日の時点では、「拉致問題」を盛り込んだ独自の教科書を使用すると県に回答していましたが、今月15日、その回答を撤回すると文書で提出。さらに文書には「補助金支給を留保することは、法律や条約に違反することから引き続き補助金を交付することを強く求める」と記載されていたということです。学費補助の継続について県は、今年度中に判断する方針です。

       


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      <伝えるということ> 【調査会NEWS2319】(28.10.23)より

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        【調査会NEWS2319】(28.10.23)

         

         

        <伝えるということ>
                      荒木和博

        昨日札幌で行われた家族懇談会では色々なことが議論されました。特定失踪者の扱い、拉致認定されていないとどうしても「政府は認めていないんでしょ」という目で見られてしまうことなど、なかなか難しい問題ですがやはり重くのしかかっていることを再認識しました。

         

        また、高齢化によって家族懇談会に出席できるご家族自体が減っているのも現実です。今回は木本佳紀さん(昭和60年弘前で失踪)のお母さん、和子さんが見えられていましたが、この席でお父さんの巌さんが一昨年他界されていたことを知りました。2年間存じなかったことだけでも申し訳ないことです。平成23年(2011)9月の第2回一万キロ現地調査(当時は1000キロ現地調査と呼称)のときはお元気で北海道から弘前までおいでいただき調査に同行されたことを思い出します。

         

        時間が経って記憶が薄れていく現状をどう変えていくかは極めて重要です。「NHKが東日本大震災のことについて短い時間ですが繰

        り返しその記憶を呼び起こすようなプログラムを入れているように拉致のことでもできないのか」という話もありました。機会があれば国会ででも質問してもらったりしようかと思います。

         

        マスコミでも熱心な記者やディレクターが配置換えで外れてしまうと新しくやってくる人にはまた一から説明しなければなりません。それでもその人が熱心にやってくれれば良いのですが、何かあったときにマスコミからの電話で「調査会というのはどんな組織なんですか」とか「特定失踪者とはどういうことですか」といった質問をされると正直頭を抱えてしまいます。

         

        そうは言っても現実は現実ですから泣き言は言っていられません。ともかく伝える努力を続けます。今回おいでいただいたご家族や、亡くなった木本さんのお父さんのためにも。


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        【※読み終わりて。以下の記事は上の調査会NEWS記事とは関係ありません】

        又一人、又一人関係者が亡くなっている。これが現実だと思うと、「政府は何をやっているのか」と情けなくなります。「たった十人のことで日朝国交正常化が駄目になってたまるか」と言ったという外務省のことが思い浮かびます。
        何十年も日本国民を取り返せていない。それなら何が問題なのかはっきりと国民の前に明らかにすべきである。隠れたところでこそこそして国民に何十年も何も報告が無い。何もしていなかったことの監査も無い。こんなもの政府とは言えない。取り返せていないことに何の説明なしで「国民一致して拉致救出に当たるべき」とは恐れ入る傲慢さだ。我が国は民主国家では無いのか。国民が主権を有しているのでは無いのか。国民はこの問題の第三者では無い。日本人拉致により侵害された主権とは国民が負託されている主権なのだ。
        そうでなくても国民同胞を30年も40年も取り返せていないことに涙する役人達はいないのか。そしてそのことに声を上げる者はいないのか。年齢と共に涙もろくなった吾人は反比例して政府への怒りと情けなさを抑えきれぬ。

         


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        核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ−特別集会報告6

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          ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

          (2016.10.28)

           

           

          核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ

           

          −特別集会報告6

           

           

          櫻井 どうもありがとうございました。次に家族会の皆様宜しくお願いいたします。

           

           

          ◆拉致問題を第一優先で

           

          飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)

           

          ご協力いただき感謝します。あらゆる情勢、情報を吸収しています。拉致問題については当然ですが、北朝鮮を取り巻く問題がやたら多いんですね。これは総理をテレビで見ているとすぐ分かります。とにかく拉致問題を取り巻く色々な情報、情勢は、我々にとってはややこしくて、実際に分からない部分が相当あります。

          そういう中から何をすべきかを判断していくわけですが、私が常に言っているのは、拉致問題最優先という言葉です。最近は第一優先と言っています。そうだとしたら、どんな状況下にあろうとも、拉致問題を第一優先にしてくださいと声を大にして総理も言っています。

           

          この問題が片付かなければ、拉致の問題も解決できないのか、そういう順番になってしまいます。先ほど西岡さんからも話があったように、北で家族が生きて待っている。そういう状況がまのあたりにある。ですから、他の問題をさて置いてもと言っては失礼ですが、より先にやるべきだということは絶対に政府の方々にも、特に総理大臣は分かっていると思うんですが、声を大きくして言っていきたいと思います。

           

          今、北朝鮮とのパイプは切れていないという話もよく聞きます。これは安倍総理と北との水面下での細いパイプがつながっているのではないかとは思います。最近言っているように、単なる協議だけではなく、被害者を取り返すための実質的な協議を早くしてくれないと困るわけです。

           

          これは難しいかもしれませんが、どういったすべがあるのかということを色々模索しますが、これについては我々がこうしてくれというようなことはなかなか言えません。

           

          政府は北朝鮮に対し協議を強く要請しているという話はよく聞きます。本当にしているのかと、先ほどの話にもありましたが、何がハードルになっているのかということも考えなければなりません。北朝鮮に向けての実質協議、あるいは帰国に向けての色んな情報について、より具体的な協議を本当にしているのかということを私は心配しています。

           

          いかにして金正恩に日本人を返す決断をさせるか。それから、それぞれの問題、それぞれのイベント等が日本人の帰国に直接つながってくるのか。この2点を私たちはターゲット・ポイントという意味で注視しています。

           

          難しい問題と思うんですが、私たちとしては、単に家族が帰ってくればいいんです。どんな方法であろうとも、です。極端な方法も色々ありますが、どんな方法であろうと家族が帰ってくればいいわけです。それが実現できるとなれば、今後ともこんな問題が二度と起こらないような日本につながると思います。

           

          国連関係でも色々やってきましたが、先日カービーさん(元北朝鮮における人権に関する国連調査委員会委員長)にも会って、「北朝鮮の人権に関する国際世論が段々高まっていますが、問題は中国です。中国が人権問題を真剣に考えるかどうか。それをターゲットに今後も是非活躍してください」と言ったら、「明日行くから言っておきます」と言っていました。

           

          そういう邪魔な問題もあるんですが、私たちとしては、身体の続く限り頑張っていきますので、色々な面でまたご支援ください。ありがとうございました(拍手)。

           


          ◆総理は、本気でやる方を動かしていただきたい

           

          横田早紀江(横田めぐみさん母)

           

          皆様こんにちは。長い間ご支援いただいてありがとうございます。本当に感謝です。

           

          今櫻井先生や三人の先生から色々な話がありましたが、西岡先生もおっしゃいましたが、国民大集会決議の3番目に「立法府は、北朝鮮のようなテロ集団を支える活動をわが国内で行うことを阻止する新法を作れ」とあります。

           

          こういう大事なことを言っているんですが、そのことがなかなか実現されない。そういうものが作り上げられないという状況がずっと続いているのではないかと思います。こういう大事なことは、政府がそうだという形ですぐに作り上げていかなければそれが有効にならないという大事な問題があります。

           

          だいぶ前に総理にお会いした時に、「小泉さんと金正日氏が会った時のように、国のトップ同士が真剣に目を見て、言葉を出して、そうじゃなくてこうだと心から話し合わなかったら分からないと思うんです」と言いました。

           

          色々な提起をしてもぜんぜん伝わってないという状況が十何年も続いているわけですから、「必ずトップ会談をしていただきたい」と言いました。総理は「そう思っています」とおっしゃいました。でもそれは今ではありません。いつかはそうするという言葉を私は待っているわけです。

           

          それから日朝交渉が大事なので、外務省が色々言われていますが、私たちには分からないところですが、知恵のある方がいらっしゃりはずなんです。議員さんの中にも。しかし、自民党とか民主党とか色々あって党派的な闘争とか、個人的な欲とか、色々なものがまず先に立って、「あの人は立派でできそうだけど別にあの人がしなくてもいじゃないか」というような思いの人もいるかもしれません。

           

          経験があって、北朝鮮を実際に見てきた方で、上手に話もできる方が必ずいらっしゃると思いますので、知恵のある心の正しい方、解決しなければならないと本当に思っている方を総理ご自身が選んで、水面下であれなんであれ、交渉し、総理もトップ会談の中ではっきりとそのことを言っていただき、解決に向けてやっていただきたいと思います。

           

          計画だけで終わるのではなく、すぐに実現できることなんですから、国民は議員の方を分かっていますので、本気でやる方を動かしていただきたいと私は思っています。

           

          皆様には長い間ご支援をいただいていますが、それが私たちの力になっています。これは日本にとって本当に恥ずかしい問題で、いつまでも置き去りにしておくわけにはいかない大事な問題です。

           

          私たち家族はこういう運命に置かれたのでしょうがいないですが、なんとか助け出してあげたい。それは国民全部の問題だということを分かっていただきたいと思います。本当に今日までありがとうございました(拍手)。

           


          ◆韓国の家族会代表からの情報はシグナルなのか

           

          本間 勝(田口八重子さん兄)

           

          今日はどうもありがとうございました。

           

          拉致被害者の救出は、北と接点のある朝鮮総連の協力が得られるか、それとも朝鮮総連が今まで通り北の支持通り動いて反日教育をやって、日本に反するような行動をやっていけば、この問題は朝鮮総連を通じては、なかなか解決しないと思います。

           

          韓国の家族会の代表から先日、「松本京子さんが体調を崩して入院した」という情報が出てきたというのは、何かのシグナルだと思います。これは西岡先生どうなんですか。

           

           

          ◆松本京子さん情報は北の謀略情報、これを乗り越えて救出へ

           

          西岡 短く言うのは難しいことですが、今回情報を出した韓国の家族会の方は、

           

          「横田めぐみさんは死んでいる。その死亡診断書を自分は持っている」と数年前記者会見で言った人です。

           

          彼自身が何を考えているかは私はよく分かりません。何回か会ったことはありますが、今は付き合いがありません。

           

          ただ、今回の松本さんの情報が正しい情報だったと仮定すると、なぜ彼のところにそういう正しい情報が近かいリークされたのか、です。

           

          ストックホルム合意に戻る危険性を先ほどから繰り返し言いましたが、松本さんは2002年9月には認定されていなかったんです。金正日が「死んだ」として「返すのをやめなさい」と言ったリストに入ってないんです。

           

          そういう人を、最終的に統一戦線部は何人か返して、8人とそれ以外の人は「死亡」として終らせる案として準備していたかもしれない。その人の一番新しい情報が出てきた。

           

          もしも松本さんが帰ってきて、「本当に入院していました」ということを本人が言ったら、この情報が正しいということになる。そうすると、同じ人が言っている「めぐみさんが死んでいる」という情報も正しいということになる。

           

          松本さんだけを返して、それ以外の人を返さないということを、当初から統一戦線部が考えていたという兆候があります。

           

          それと、「もう一度二年前に戻ろう」という勢力があることと、今回このタイミングで「めぐみさんが死んだ」と言っている人のところに松本さんの情報が出てきたのは、まだ断定的なことは言えないし、うがった見方かもしれないのですが、相手が何をするか分からないところなので、大変気を付けなければならない。

           

          そういう点で、もう一山くるのではないか。「死んだ」ということで終わらそうという側の謀略が。そこを乗り越えてやっと細い道が頂上に向かえると思っています。

           

          本間 長くなりますので以上で終わります。ありがとうございました(拍手)。

           


          ◆複雑な情報戦をかいくぐって絶対に同胞を助け出そう

           

          櫻井 最後の本間さんの質問は、ご家族としては心の底から聞きたいことだったと思います。それに対して西岡さんの回答は、このような情報も、生存情報も、どういう目的で誰が誰に出したのかということまで見ないとならないような、非常に複雑な情報戦が行われていることだと思います。その中で向こう側は既に言った「8人死亡」を正当化させて、その上で日本をだまして、取れるものは取ってしまおうという情報戦で、これが今も続いているわけです。

          こうした複雑な状況をかいくぐって、日本国の力と、絶対に同胞を助け出すという意思を貫徹していかなければならないと思います。

           

          この拉致事件は、日本という国にとっては、日本国は一体独立国なのかという究極の問いを突き付けているわけです。そしてまた国民一人ひとりにとっては、人生というのは、色々な宗教の解釈はありますけれど、それでもこの人生は一度きりなわけですから、本当にみなさんがお元気なうちに、拉致された人たちが生きているうちに、どうしても救い出さなければならない。

           

          国民の一人として、自分の人生と重ね合わせて見て、これは他人事ではないんだと、人生そのものなんだということを忘れないようにして、世論を喚起し続ける、世論がこれを支持し続けるということがとても大事だということを強調して終わりたいと思います。

          今日は長い時間ありがとうございました(拍手)。

           

          以上

           


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          核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ−特別集会報告5

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             ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

             

            (2016.10.27-2)

             

            核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ

             

            −特別集会報告5

             


            ◆日本は全員帰国させるなら交渉に応じる用意がある


            西岡 最初の話に戻りますが、今日本はかけられるだけの制裁はかけた。ただ、人の往来をもう少し厳しくすべきだと思います。私は人の往来の全面的禁止にすべきだと思っています。

             

            9月9日に核実験をされた時に、日本の国会議員が二人も北朝鮮にお祝いに行っていて、祝賀パーティに出ていた。こんなばかなことはないので、基本的に北朝鮮に行く時には、パスポートを別途申請しなければならないと思います。

            旅券返還命令というのがあります。危険な地域に行く時には旅券の返還を求めます。金丸訪朝以前の日本は、北朝鮮を危険地域と指定していて、普通のパスポートでは行けなかったのです。

             

            北朝鮮に行く場合には、別途外務省にパスポート申請をしなければいけなかった。何が起きるか分からない。保証できないからです。今核開発をし、拉致被害者を返さない国ですからそこに戻すべきです。

             

            在日朝鮮人についても、北朝鮮を渡航先とする再入国許可は、南北対話が始まる前は、1960年代までは原則禁止だったのです。お墓参りとか人道的な理由で許可していたんです。

             

            今は原則OKで、一部の人だけ禁止しています。これを戻すべきだと思います。今の憲法でもやっていたことですから。それは北朝鮮が危険な国だということを前提としてやるべきで、そこは強化すべき制裁としてやるべきだと思います。

            ただ、大枠では今制裁をかけた。北朝鮮に対してかけた制裁の中で国際制裁よりも高い部分は拉致で使えると我々は思います。被害者全員を一括で返すということ。この一点が我々の要求です。被害者全員の一括帰国をのむならば、実質的な条件について話し合いができる。

             

            安倍政権は北朝鮮の政権を倒すための道具として拉致問題を使っていない。本当に被害者を助けるために交渉する準備がある。その交渉は他の人道問題と併行して行う交渉ではない。被害者の全員帰国をテーマにした交渉だ。安倍総理と金正恩の特使が秘密で、被害者を返すことを前提とした話し合いを始める。その準備ができているということを、誰が会っても日本側が言い続けることが一つです。

             

            もう一つは、具体的な生存情報をより多くとることです。北朝鮮が「死んだ」ということで終わらせることはできませんよ、と。今でもかなりの数の生存情報がありますが、もっと確実な、例えばDNA情報とか写真とか手紙が表に出れば、「死んだ」と言えなくなるわけです。

             

            北朝鮮社会は今どんどん腐敗していて、最高機密を持ち逃げする人がどんどん出ています。そういう中で確実な生存情報をとることと、日本は交渉に応じるが、最優先は被害者全員帰国だ。全員帰国させるなら交渉に応じる。それをしないならできる限りの制裁をする。

             

            我々は現行法規でできる制裁はほぼしたと言いましたが、北朝鮮が全員返すという交渉に応じないなら、新たな法律を作り、北朝鮮をテロ集団と指定して、北朝鮮を支援したり称賛する団体を解散させる。そういう法律を作る。

             

            日本は国内の暴力団について、組織暴力団と指定すると、銀行口座も開けない。マンションも借りられないということをやっているんです。拉致をして人を返さない団体を称賛するような教育をしている学校、そういう政権に寄付を集めている団体がなぜ合法的に日本にいられるのか、ということまで、憲法の人権の範囲の中でできることがまだありますよ、と。

             

            今IS(イスラミック・ステート)を称賛するような教育を、各種学校としてでもやったらそれを許すのか、と。同じことをやっているところがあるわけです。そういうことについて新法も作るべきだということも9月17日の国民大集会の決議の3で、「立法府は、北朝鮮のようなテロ集団を支える活動をわが国内で行うことを阻止する新法を作れ」としています。

            今現行法規でできる制裁で痛いんだったら被害者を返しなさい、話し合いに応じると言っていますが、それにも応じないなら、新法を作って、あなたたちの日本国内での活動は完全にできなくなりますよ。それでもいいんですか、ということも言い続けなければならない。それが「対話と圧力」だと思います。


            櫻井 非常に複雑な対策というか、情報のオペレーションが日本側に必要とされている局面だと思います。いかなる朝鮮の人も北朝鮮に行ったら再入国は許さない。これはもっと徹底させるべきだということで私も賛成しますが、同時に核実験の時国会議員が二人も行ってお祝いを言っている。こんなばかなことが同時進行で行われているということを、メディアの側も政府も発表すべきだろうと思います。

             

            もちろん日本国は民主主義の国ですから、誰がどこに行って何をしようと基本的に許されるわけですが、拉致をしている犯罪国家としての北朝鮮の核実験の場にかけつけてお祝いを言うということは、国民の代表の行為として許されないということを政府も外務省も言うべきだし、メディアも書くべきだと思います。

             

            その辺の情報の出し方、また朝鮮学校に対する自治体の補助金のことだと思いますが、そのあり方。そして朝鮮総連の本部についても、私たちは極めて納得のいかない現実に直面しているわけです。あれは一体どうなってしまったんだろうということがあるわけですから、こうしたことについて、これは基本的にメディアの責任ではありますが、救う会も一つの情報発信として考えていくべきではないかと思います。

             

            同時に、金正恩側が安倍さんを批判する言葉がすごく少ないということですが、それはある意味で日本に助けを求めている証拠であると解釈されているわけですが、じゃああなたは本当に拉致被害者全員を返すのか。遺骨等は後でもいいですよ。でも拉致被害者を生きたまま返しなさい。そうすれば日本の独自制裁は解除しますよというメッセージが彼のところに正しく伝わっているのかどうかということについて。これは推測するしかないのですが。

             

             

            ◆日本にできることが金正恩に伝えられていない

             

            西岡 まだ正しく伝わってないのではないか。理由は二つあって、一つはストックホルム合意を作った勢力が北にもいるわけです。統一戦線部だと私は見ていますが、その人たちは金正恩に、「8人は死んだということで日本を納得させることができます」、「それでストックホルム合意を作ったんです」と言って決裁をもらっているわけです。

             

            「横田さんたちだって、お孫さんと会って喜んでいました」、「本当はもう孫に会いたいだけです」というような報告を上げているんです。

             

            それは嘘なんですが、北朝鮮には言論の自由もないし、検証することもないので、自分たちが一度作った計額が失敗だったというのでは責任を追及されますから「2年前に作ったものが正しい」、「これでいけます」と必死になって言っている勢力がある。

            日本は政策が失敗しても殺されはしませんが、やはり外務省はストックホルム合意は正しかったと思っていますから、そういう人たちからまた動き出してきているのではないかというのが一つです。だからなかなかそれが伝わらない。

             

            もう一つは、これも外務省に責任があるんですが、2002年の平壌宣言の時、これは複数の情報がありますが、日本側は1兆円の経済協力を約束した。100億ドルです。金正恩氏は父親に対するコンプレックスがありますから、父親ができなかったことを自分がやりたいと思っている。

             

            父親ができなかった100億ドルを自分がとってやる、と。2年前、日本に接近することを決めた時の動機にそれがあると思います。でもそれはできない。そそも100億ドルについて誰も合意していないし、小泉政権は「そんな約束はしていない」と言っている。

             

            でも田中均局長がやった秘密交渉の内、2回分の資料がないんです。安倍総理が、総理として「持ってこい」と言ったら、「ありません」と言われた。そこで何が話されたのか総理さえも分かっていない。

             

            北朝鮮側は政権に近い亡命者が今何人もソウルにいますが、「あの時100億ドル来るということで準備が進んでいた」と言っています。それも外務省が一度約束してしまったものですから、向こうはそこから考えるわけです。「日本から物がとれるとすれば、なんで100億ドルじゃなんだ」と。

             

            しかしそれは国際制裁に違反しますから、そこの部分で取引をすることはできない。「だから条件を話し合おう、実質的協議をしよう、日本にはできることとできないことがある」と。

             

            私は本当はレジーム・チェンジ(政権交代)論者で、絶対制裁を高めろとずっと言ってきたんですが、この私が、「条件を話し合おうと言っているんだ」と。「平壌はそれを分かれ」と。「話し合おうと言っているじゃないか」と。

             

            しかし、日本にはできることとできないことがある。しかし、できることがある。そこの部分も狭い道なんです。様々な変数があるし、来年12月の韓国の大統領選挙でもう一度太陽政策側が勝った場合にどうなるかとか、色んなことがあるので、家族の皆さんを前に申し訳ないんですが、「いつになったらこうなります」と言えるところまでまだ行っていない。

             

            逆にもう一回「死んだ」という情報を出そうする人たちさえいる。それを跳ね返せば、もう「死んだ」ということでは日本を動かすことはできないんだということが金正恩氏にも分かる。

             

            これは島田さんの説ですが、「ボディ・ラングウェッジ」というのがある。金正恩に伝えるのは、何をやられても動揺しないで「報告書じゃなくて人だ」と言い続ける。みんなが言い続けると、これはどうしようもないんだなと教えることができる。そういうことなのかなあと思っています。


            ◆日本という国は全く怖い国ではない

             

            櫻井 金正恩の方から見ると、日本という国は全く怖い国ではないんです。くみしやすい国です。何の恐怖も彼らは感じないだろうと思います。やはり国家としての背骨をはっきり打ち立てるためにも、時と場合によっては相手に脅威を与え得るだけの強さを持たなければならないわけです。

             

            惠谷さん、この意味で、日本が具体的にできること、もちろん憲法を改正して自衛隊をきちんとした軍隊として存在させることがすべての面でプラスに働くと思うんですが、憲法改正の議論さえまだ十分にできていない。

            民主主義の国ですから、そのプロセスを踏まえることなしにはできないわけですから、これからも時間がかかると思いますが、その間に何かこの拉致問題の解決のためになし得る軍事的なことは何があるんでしょうか。

             

            ◆自衛隊が国防軍になれば北朝鮮は脅威と感じる

             

            惠谷 大変難しい質問ですが、先ほどは有事中心の話をしましたが、有事に至る前に法的その他で対応できるのが今やるべきことだということを言いたかったのです。

             

            自衛隊はまだ法的にあいまいですが、憲法上も明確に国防軍という位置づけになるとすればの話ですが。金正恩というのはまだ経験が浅いのですが、金正日は自衛隊を非常に高く評価していました。息子がどの程度その情報を得て、どう思っているかは分かりません。

             

            しかし、金正日がなぜそう思ったか。一番の理由は帝国陸軍が変わったものだから、です。陸軍の伝統、海軍の伝統を引きついている軍隊は強いに決まっているというのが金正日の認識でした。

             

            一方、テポドンミサイルの発射実験がありました。その時も破壊措置命令を出しました。現在は常時発令されています。当時はミサイルの発射前にその命令を出し、打上げが終わったら解除というのを繰り返していました。

             

            その時も、日本は本当にミサイルを撃ってくるのではないかと北朝鮮で非常に恐れられて、まだ親父が生きていた2009年の実験に、金正恩をミサイルが破壊された時の対応部隊の司令官にしました。これは帝王教育的な措置だったとは思いますが、実際に防衛司令官に任命して、結果的に日本は撃つわけがないので終わりました。

             

            これは金正日がまだ健在の頃、自衛隊が何をやってくるか分からないという意味で怯えていました。世代代りしましたから金正恩がどう思っているかは分かりませんが、現場で父親から、日本軍あるいは自衛隊の情報を聞いているはずです。

            それが理由で現在安倍政権を非難していないとは思いませんが、しかし日本が国防軍的な自衛隊になることを憲法で認めれば、これは世界中がそうですが、非常に脅威と感じる可能性はあると思います。

             

             

            ◆作戦部門を持った情報機関を作らないと、本当の情報は入ってこない

             

            島田 一言だけ。昨年中国の長期戦略に関する「100年マラソン」という本を書いてベストセラーになったマイケル・ピルズベリーさんと、「月刊正論」の企画で対談したんですが、その時彼が言ったことが非常に印象的です。

            彼はCIAの前線にいた人ですが、「冷戦期は特にそうだけど、同盟国であった日本よりも中国にはるかにたくさんの秘密情報を教えてきた」そうです。

             

            なぜかと言うと、「アフガニスタンに侵攻したソ連をつぶすために、例えばアフガニスタンのゲリラを国境を越えてソ連の中に入れて、発電所を破壊するというような国際法違反の作戦も、アメリカと中国と組んでやってきた」、「国際法違反の共犯関係にまで米中は入った。だからそれだけの情報交換もやっていたんだ」、「日本には秘密作戦ができるような組織がないでしょう。そういう国にはもともと情報は教えない」と。

             

            日本も、作戦部門も持った情報機関を作らないと、本当の情報は入ってこないと思います。

            (6につづく)


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            ■核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ−特別集会報告4

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                ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

               

              (2016.10.27)

               

              ■核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ

               

              −特別集会報告4

               

               

              櫻井 そこで、日本として具体的に何をすべきなのか。何ができるのか。例えば日本は有事に拉致被害者を救出するにしても、どこにいるかの情報を持っていないのではないかという状況の中で、なるべく今の現実にそって、一旦私たちは何をすべきか、その中で何ができるか、できないものは何なのかを仕分けして、できない理由を明らかにしてそこを変えていくことが大事なのだろうと思います。

              まず何をすべきなのかを専門の立場からおっしゃっていただければと思います。


              ◆北朝鮮有事の際の被害者救出訓練は始まっている

              恵谷 拉致問題の解決と軍事的な観点を結びつけるのは難しいと思いますが、一つだけ言えるのは、北朝鮮が有事になった場合、米韓軍に被害者の救出を頼むのは国家としてあってはならないことで、自らの力で取り戻したい。

              そういう意味での事前の担当舞台や隊員の訓練が大事です。これは現実的にはもう始まっています。市ヶ谷(防衛省)は認めないと思いますが、まだ法的な部分が残っています。そこをクリアーすれば、有事になった場合の米韓軍との交渉が非常に微妙になると思いますが、それも踏まえた上での関係の強化、コミュニケーションを円滑にやっていくことが大事です。

              少なくとも日米の軍関係は以前と比べれば比較にならないほどの緊密な連携になりつつありますが、問題は韓国軍です。ですから有事を意識した上での、軍事的な部分の関係を強化していくべきと思います。


              櫻井 問題は韓国側というのは、救出するにはまず情報を持っていなければなりませんが、情報面でも、具体的なオペレーションの面でも韓国とのコミュニケーションがうまくとれていないという意味ですか。

              恵谷 韓国軍としては、例えば陸上自衛隊と38度線を越えて共同作戦が可能になるのかどうか。自衛隊の特殊作戦専門の部隊が38度線以北での活動をする場合に、言葉の異なる隊員と動きたいと思った時に、韓国軍がどういう態度をとるか現状では全く分かりません。

              特に日本の場合、まだ法的にも確立されていませんから交渉もできないというのが現状です。

              櫻井 日本の国内法を見ても、こういうオペレーションは全くできないのが現実ですから、韓国の問題だけではなく、日本の問題でもあるということですね。今は自衛隊が行ってオペレーションをするということは全く考えられないわけですね。

               

               

              ◆有事救出に必用な憲法解釈のチャンスを逸した安倍総理

              島田 今の関連で、昨年安倍政権は新安保法制を通しましたが、あの時、集団的自衛権に関して、事実上の憲法解釈の変更をしたわけです。しかし、あの時の安倍政権の大きな失態は、北朝鮮で自衛隊が救助活動できるんだと、これも合わせて憲法解釈の変更をすべきだった。

              審議会の方はそういう答申を出しているんです。なくなった小松さんという法制局長官が主導して、「自国民が被害者になっていて、その国が保護するつもりがない時には自衛隊等を派遣しても憲法違反にはならない。国際法違反でもない」という、新たな憲法解釈を審議会段階で出したんです。

              安倍政権が何を考えたのか、そこまで出すと国会審議が混乱すると思ったのか、消してしまって、安倍さんが「それは憲法上できない」と言ってしまった。これは重大な過誤であったと思います。

              中山恭子さんなどは野党の立場で、「その憲法解釈はおかしい」ということを当初から言っておられました。憲法解釈を変えたことは過去にいくらでもあることですから、安倍政権の間にもう一度そこの部分を、「憲法上救出もできる」と解釈を変更すべきだと思います。

              反対する人はいないと思います。反対するのなら、「じゃあ憲法改正をすぐにやりましょう」という議論につなげるべきだと思います。拉致被害者救出は最優先課題だとほとんどの政党が言っているわけです。ところが、現行憲法では自衛隊を送って助けることができませんとなると、最優先課題が現行憲法では実現できないことになります。やはり憲法を変えないといけないのです。

              あと、サイバー攻撃。ドナルド・トランプ氏が、「自分が大統領になったら、敵対勢力に対する攻撃もしっかりやる」と公約しています。以前陸上自衛隊のサイバー担当の方に話を聞いたところ、「日本は専守防衛という立場から、ディフェンスだけで一切攻撃してはいけないことになっている」、「考えてもいけないことになっている」と言うんですが、北朝鮮が核ミサイルを発射しようとした時、サイバー攻撃で無力化できれば一番いいわけです。サイバー攻撃をしてはいけないという姿勢も改めてほしいと思います。

              もう一つ。これも外務省の関係者などに毎回言っていることですが全然実現されないのが、国連の場等で、「中国にも拉致被害者がいるじゃないかということを、もっと大きな声で言え」と。

              安保理の北朝鮮に対する制裁決議がなされる場合、日本政府としては常に「拉致」という言葉を入れて、それも制裁の理由に書き込むようにと提案しているわけですが、常に中国が、「拉致は日朝2国間の問題だから多国間の取り決めに入れるな」ということでつぶしてきた。

              その際に、「中国人の拉致被害者もいる。マカオから拉致された二人の女性を初め中朝国境で100人以上やられている」と言われているわけで、「中国も被害者がいるのだから一緒に助けよう」と言うべきなのに、中国政府自身が自国の拉致被害者がいることを認めてないので、「日本が言うと日中関係がぎくしゃくしかねないから日本からは言いません」というのが外務省の立場です。

              これは戦略的に全くおかしいと思いますし、外務省が態度を改めるべき点の一つだと思います。


              ◆米韓軍が北の治安を維持していれば自衛隊が助けにいける可能性が

              西岡 今の自衛隊の問題ですが、細い道があります。荒谷さんという初代の特戦群(特殊作戦群)群長が、荒木さん(特定失踪者問題調査会会長)が主催するセミナーで言っていたことです。

              今の自衛隊法では、当該国の政府が承認すれば邦人を輸送することができることになっています。北朝鮮が大混乱になった場合に、米韓軍が北進する5029作戦計画があります。その場合、米軍司令官が米韓軍の司令官になります。副司令官が韓国軍司令官です。国連軍の看板と二つの看板で行くわけですが、

              混乱状態の中で自衛隊だけが単独で作戦することは軍事上不可能だと思います。韓国軍の国防研究所の元所長に来ていただいた時に、「来られても迷惑だ」と言われました。「日本が同盟国でないので、作戦情報を共有できない」と。「作戦情報を共有してないところで部隊を動かすと、敵かもしれないと思って我々は攻撃するかもしれない」と。しかし、「韓国軍の作戦のミッションの中には、不法に抑留されている外国人を解放することも入る」と言われました。

              ただ、戦闘状態になっている時に、戦闘とは別のミッションを持った部隊を動かすのはかなり大変だということはよく理解できるんですが、米韓軍がほぼ治安を維持している場合、一部の地域でまだ被害者が工作機関員に抑留されて立て籠もっていたり、その可能性がある場合に、当該国政府というのは占領軍の司令官になるので米軍司令官が当該国政府になるという国際法上の解釈があり得る、ということです。

              イラクで政権が崩壊した後、米軍が出て行った時、米軍司令官が治安を維持している時に、あるマスコミ関係者、日本人の記者たちがあるところに閉じ込められていて、自衛隊で移送を要請して、自衛隊は米軍司令官の承認のもと、マスコミ関係者を移送した例がある。

              5029作戦計画が発動され、ある地域を米軍が完全に支配した中で日本人を移送するということが必要となった場合に、自衛隊を使うということは、細い道だけれどもあり得る。

              しかしそれでも被害者がいる場所というのは工作機関の中です。例えば金正日政治軍事大学には約千人くらいの一騎当千のテロリストがいるわけです。重火器もある。それを武装解除しにいくというのは大変なことです。

              そういう部分は、危険だから自衛隊が行きます、と。日本人がいるのだから、戦略的話し合いができれば、行けるのではないか。これは我々が10年くらい前からずっと政府に言い続けていることです。しかし、そういうことを準備しているということを北に知らせるのはよくないので、静かに準備してもらわなければ困ると言ってきました。

              平時に、米韓軍が動いていない時に自衛隊が助けに行くのは一つのオプションですが、それは具体的な情報がないとできない。抑留された直後なら分かりますが、なかなかそれは難しい。

              次に自衛隊が動けるのは北朝鮮が崩壊した時です。混乱が起きた時、米韓軍が動いた時にどうするか。まず集団的自衛権の問題をクリアーして、日本も一緒に戦うということを見せて、誰が助けるかということではなく、日米韓で軍事作戦をするという状況になれば、一番助けやすい人に助けてもらえばいい。

              集団的自衛権の行使さえもできないと言いながら、アメリカに何か頼むとか、韓国に頼むというのはあり得ないことです。それは一歩進んだとは思っています。

              あとは5029作戦計画が、日米韓の作戦計画になることができるのか。そこに行くためのプロセスがたくさんあるわけですが、それより先に崩壊してしまうかもしれないとすれば、できることは何なのかを静かにシミュレーションして準備してほしいと思います。

              これは中山恭子さんが第一次安倍政権で補佐官だった時に、「できる限りの準備はしています」と私は聞いています。それ以降10年経っているわけですから、できることは何なのかについて区分けと準備は一定程度されているのではないかと期待しています。

              櫻井 今軍事の面を中心に答えていただきましたが、軍事的な手段まで考えなければ拉致問題が解決できない局面まできているのか。その前に打てる手はないのか。もちろん軍事的背景をきちんと持っておくことが外交においてとても重要だということは認めますが、今の日朝関係の中で、5029作戦に行く前に、私たちができること、またすべきこと、障害は何かについてもお話いただければと思います。

              (5につづく)


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              核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ−特別集会報告3

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                 ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

                 

                (2016.10.26)

                 

                核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ

                 

                −特別集会報告3

                 

                 

                ◆拉致問題は中国問題

                櫻井 どうもありがとうございました。3人の方から色々な論点を踏まえた話がありました。なぜ拉致が今まで解決されてこなかったかと言えば、日本政府がこのことについてほとんど問題意識がなかった。

                その次の段階では、色々な政治家のイニシアチブを得て外務省が前面に出た。この外務省主導の対策が根本的に間違っていたということがあるわけで、ここで問うべき問題は外務省主導の拉致解決の政策から私たちは本当に抜け出ることができているのか。

                「ストックホルム合意に戻ろう」という声すらあると先ほど聞きましたが、そのような可能性について完全に否定することができるのかという日本政府の対応の話が一つありました。

                いつも私たちが言っていることですが、拉致問題というのは中国問題なんですよね。北朝鮮がやったけれど事実上は中国問題である。中国が北朝鮮を助ける限りなかなか国際社会の圧力も効かないということについて、今アメリカが段々内向きになってきていて、かつてのような指導力を発揮するような客観的状況はなかなか考えにくいということ。

                また中国が以前よりずっと力をつけてきていて、中国的な価値観による国際秩序の構築にかなり動いているということを踏まえて、この点からどういう風にしていったらいいのかということ、についてお話をしていただきたいのですが、まず中国の観点かラ話しましょうか。その後で、日本国政府の具体的な政策について。


                ◆中国共産党の本音は北朝鮮の核の共同管理

                西岡 中国と北朝鮮の今の関係をどう見るかですが、微妙だと思っています。逆に言うとそれを我々がどう利用するか、ということだと思います。

                大きく言うと、北朝鮮は今、中国の大躍進と文化大革命をやっているわけです。今の中国は毛沢東主導で3千万人とかを殺した大躍進と文化大革命を否定して、中国共産党の一党独裁は正しいとして資本主義を導入している。

                しかし北朝鮮は未だに、金正日が指導した350万人が餓死した北朝鮮的な大躍進が正しかったと、彼らは苦難の行軍と言っていますが。彼らは自分たちの政策が間違っていたとは一度も言わないでいるという状況ですので、そこに齟齬がある。

                中国側は北に対して、改革開放をやれ、文化大革命的なことは間違いだと認めろと、●小平(●=登におおざと)時代から言ってきたんですが、金正日は、会ったら「分かりました」と言いながら、平壌に帰ると「あいつらは修正主義者だ」と言って、ごまかしながらきた。二重性がありました。

                しかし、金正日が死ぬ直前に、3回中国を訪問して、「自分が亡き後、20代の息子を後継者に選んでいるが心配だ」と。中国共産党の後ろ盾がほしいと思って3回も中国を訪問した。そういうことがあったにも関わらず金正恩は未だに北京を訪問していません。

                核問題で言うと、中国は「朝鮮半島の非核化」で、韓国にアメリカの核を持ってくるのも反対で、北朝鮮の核武装も反対です。「それは金日成と毛沢東同士が約束したことだ」として朝鮮労働党に圧力をかけているんですが、金正日は「核は停止しました」とか「止めてます」とか口でごまかしてきた。

                金正恩は憲法に「核武装」と書いてしまった。そして労働党の大会でも、「核と経済建設の併進路線」と書いた。中国の言うことを、面従腹背で、「やりますよ」と言ってやらないのが金正日だとすると、金正恩は公然と、「中国の言うことには従いませんよ」と言っている。

                張成沢の処刑の背景にも中国との関係がある。張成沢は金正恩の決裁をもらった上で、習近平に手紙を出しています。その手紙の内容は、北朝鮮の体制を1970年代に戻し首相中心で経済建設をするので、それをサポートしてほしいというものです。

                これは北朝鮮の内部からの情報と「産経新聞」の矢板特派員が中国で取った情報が一致しています。首相中心制にするということは、実は金正日時代に実質的な権力を持っていた組織指導部がつぶされるということで、組織指導部が危機感を持って、その手紙を書いた張成沢を処刑してしまった。

                そういう点でも張成沢を期待していたのに、それを殺した人間が今金正恩をかついでいるわけです。習近平体制から見ると、金正恩の今の体制はそんなによくは見えていないという大枠があると思います。

                では核開発について中国共産党がどう思っているのか。これも北朝鮮側からの情報ですが、金正恩政権は習近平が一体自分たちのことをどう思っているだろうかと、真剣に調査をしています。定期的に人を送って、中国共産党の幹部や学者と会ったり、北京の世論等を調べています。

                その調べているルートの人から聞いたのですが、中国共産党の本音は核の共同管理です。金正恩が核を持つことに絶対反対ではないが、中国の技術者が核サイトに入って、中国共産党がOKと言う時だけ使うのなら許してやる。それに対して金正恩は、絶対それはだめだ、と。主体の国で、「自分たちが作った核を中国にあけわたすことはしない」と言っています。

                そこで中国共産党としては、金正恩を代えて労働党の独裁を続けることを考えている。そう金正恩側が思っている。中国共産党は自分たちを代えようとしている、と。

                中国の世論とか幹部などの秘密に取った意見書などはそういうことを言っていると、労働党の秘密組織が金正恩に報告している。その報告が正しいかどうか、私は中国の専門家ではないので、そこは中国の専門家に聞きたいところですが、北側はそう思っている。

                だから今年3月に、国連の安保理事会の制裁に中国が賛成した時、「そんなことをするなら北京と上海に核を一発ずつぶちこんでやる」と金正恩が言った。そして、「産経新聞」が報道しましたが、「核の爆風で中国の暴圧を吹き飛ばせ」という内部文書が幹部たちに配られて、これで政治講演をしろと言われている。そんな内部文書が外に出てきている。

                核開発をめぐっても、世界の安全のために北に核を持たせないという意味ではなくて、中国の一党独裁の言うことを聞くかどうかということで矛盾がある。そういう中で金正恩政権は核実験を続けていて、中国を含む国際社会を敵に回しています。


                ◆中国との関係が悪い金正恩 中国をも巻き込んで圧力をかける

                一番非難をしていないのが安倍政権です。安倍総理に対する名指しの批判は大変少ないです。特に、安倍総理が今年2月に行った独自制裁について、全く批判しない。

                1回だけ、「特別調査委員会は解体した」と言っただけです。それを調査委員長の名前で言いました。それ以上、上の段階の政府声明などは何も出ない。「ストックホルム合意を破ったのは日本じゃないか」とか、「もう政府間対話を止める」とか言わない。

                彼らも中国との関係まで孤立しているとすると、出口が日本しかないと思うのかもしれない。私は北の専門家で拉致をやっているから、若干都合よく見ているかもしれないんですが、今韓国の北朝鮮専門家たちは、1970年代の終わり、朴正煕大統領が暗殺された時と、今の北朝鮮の状況が似てきていると言っています。

                韓国のKCIAの部長が朴正煕大統領を暗殺したのは、アメリカとの関係が悪くなったからです。最大の同盟国、支援国との関係が悪くなる時が体制の危機だということで、ナンバーツーがナンバーワンを暗殺した。

                今北で起きていることも中国との関係はそういうことです。一番の矛盾はアメリカとの間ではなく中国との間にある。金正恩にとってです。そこをも利用しながら、中国をも巻き込んで圧力をかける。

                中国は北の政権を国際社会と一緒になってつぶそうとは思っていませんので、国連制裁を強めることには抵抗を示して、人民の生活に関係する石炭の輸入はいいということにして、北朝鮮に外貨を与え続けているわけです。

                一方国連の制裁には入っていない北朝鮮に対する石油の輸出はかなり止めています。それも事実です。パイプラインで送っているのですが、かなり減っている。その分北はロシアから買っています。

                でも中国は金正恩に対して、国際社会と一緒ではなく独自に制裁をし、独自に言うことをきかして、言うことを聞けば制裁を止める。フリーハンドを確保する形です。しかし、金正恩は今言うことをきかず、日本に少し色気を使っている。逆に金正恩は中国に対するてことして安倍政権を使おうとしている。

                そういうことをすべて頭に置きながら拉致では取り引きできますよと、全員返す決断をしなさいという札を見せる時期なのではないかと思います。


                櫻井 惠谷さん、中国と北朝鮮との軍事的関係ですが、中国が北朝鮮の核開発に
                これまで協力してきたことは明らかですが、5回目の核実験について中国はどう
                いう態度をとっているのか。核とミサイルを手に入れた北朝鮮の立場は圧倒的に
                強くなってしまうわけですが、こうした事態に対して中国はどう対応していると
                思いますか。


                ◆北京は北朝鮮を握り続ける自信がある

                恵谷 中国は70年代、80年代までは、北朝鮮の武器開発に技術者を送るなどしていましたが、現状ではそういう交流はない。ただ、開発途中で北朝鮮では技術的に解決できない問題が出た場合、それを北京に問い合わせて、その場その場で様々な条件があるのですが、解決してきたという証言もあります。

                しかし、おっしゃったように今核弾頭を確保している、アメリカまで届くミサイルも確保している。ある意味で圧倒的な軍事力を保有しつつある。当然北京は快く思っていない。しかし、西岡さんの話にもありましたが、中国の様々な支援がない限り、北朝鮮は生きていけないわけです。

                従って、中国が制裁というより、本気で崩壊まで持っていこうと思えばそれはできる。ただそうすると、火の粉が中国に及んでくる。あるいは東北部に混乱を招くということを考えて、中国の立場で支援をしている。言わば、「生かさず殺さず」のレベルでやっている。

                しかし、潜水艦からミサイルを北京に撃つ可能性もあるわけです。潜水艦というのは基本的に探知できない。そこから発射されたミサイルがワシントンではなく北京にいく可能性だってある。

                ですから中朝の関係は、「近づけず、遠ざからせず」でもあって、手元に置いて、中国の技術は何か問題が起きた場合に必要ですから、そういう中で北京は北朝鮮を握り続ける自信はあるのではないかと思います。


                櫻井 島田さん、さっき西岡さんがおっしゃった非常に細い道を歩んで拉致被害者を全員取り戻すことについて、そのような考え方、つまり拉致の被害者をたくさん抱えていることについてのアメリカの考え方はどうでしょう。かつては6か国協議では、形の上では拉致問題についてアメリカは応援してくれたと思いますが、実質的には拉致は横に置かれてきたわけです。それがアメリカの本音であったこともあると思います。

                今アメリカ政府の考え方、またスネドンさんともう一人の似たようなケースがあるやもしれないという状況を受けてどうでしょうか。それからこれまでアメリカの日本政府に対する情報提供は、アメリカの国としてあるいは議会としての姿勢は、日本国が思うようなことを応援してやろうというふうに変わってきたと考えていいですか。


                ◆議会が圧力をかけないと国務省も外務省も動かない

                島田 アメリカは非常に多様な社会ですから、トランプ氏とヒラリー氏が同じ国の大統領を争っているとは思えないくらい荒れています。先ほどの外務省の問題もこの後議論になると思いますが、アメリカでいうと国務省と日本の外務省の関係。これは悪の枢軸というか、宥和の関係と言うべきじゃないかと思います。

                これまで拉致に関しては、国務省が基本的に仕切ってきた面があると思います。スネドン氏のケースについても、スネドン氏がいなくなったのは中国ですから、そして中国が「崖から落ちて死んだのだろう」と言っているわけですから、国務省としては、「そんなことはない。もっときちんと調べろ」とか、中國との間でもめたくないから、国務省はスネドンさんのケースを追及してこなかった面が強いと思います。

                だからこそ、議会が圧力をかけて動かさないといけないという判断で、古屋圭司元大臣などが何度もアメリカに足を運んで、向こうの議員を動かして決議案を作らせたという方向にいったわけです。

                古屋さんが向こうの議員に説明する際に、「日本でも同じだった。外務省は当時拉致問題なんか全然取り上げたくなくて、『国交正常化の障害だ』という認識だった。それを議員連盟が中心になって方向を変えたんだ。アメリカも是非議会が先頭に立って動かしてほしい」と言っていました。

                現に決議案が下院を通りましたから、また新たなケースが浮上してきていることも話しましたが、やはり議員がどれほど強く動き出すかです。

                それから先ほども少し触れましたが、イランと北朝鮮のコネクションの件ですが、民主党はイランは反省して核を凍結して文明社会の一員としてやっていこうという姿勢なんですよ」と。オバマ大統領なんかは自分がやったイランとの合意が失敗だったと言われると困るので、今やかつてのクリストファー・ヒルみたいです。イランのやることは何でも弁護しています。

                ヒラリーさんは、オバマ氏の合意は成功だったと言っているので、ヒラリー政権になると、イランと北朝鮮との関係は、怪しい話が出てきても握りつぶすんじゃないかという恐れがある。

                その点だけに限れば、トランプ氏は「イラン合意は俺が大統領になったら破棄する」と言っていますが、ヒラリー政権になるでしょう。共和党議員は、全員がイランとの核合意は失敗だったという意見です。これも議会がどれだけ圧力をかけるかが、イラン・北朝鮮コネクションをいかにつぶしていけるかのポイントになると思います。日本の有志議員とアメリカの有志議員が連携する方向も、積極的に進めてほしいと思います。

                櫻井 日本の外務省が主導するストックホルム合意について、一部の議員はこの道が正しいと言っていますが、これについて日本の拉致議連や自民党政府の考え方は今どう変わりつつありますか。


                ◆危なかったストックホルム合意、安倍総理が路線を修正

                西岡 私は政府や自民党を代表する立場ではないので断定的なことは言えませんが、少なくともこの間の経緯を見ると、ストックホルム合意ができた時は、総理が二度もぶらさがり会見をして、「大変いい合意だ。特別調査委員会はいい委員会だ」と言って、期待を高めたわけです。

                そしてマスコミに対して、この合意がいい合意だという根拠の一つとして、「裏交渉に出てきた人間が北朝鮮の国家保衛部の幹部だ」、「田中均局長が相手にしていたXの部下だった人間が出てきている」と言って、その名前までリークされました。

                私はそれを見て、やり方が全くひどいと思いました。秘密交渉をしているなら、結果が出る前に相手の名前を言ったら秘密交渉でも何でもなくなるんです。相手がそれでいいと言っているとすると、相手と組んで、日本の世論や日本の政権をだまそうとしているのじゃないか、と思います。「いい結果がでますよ」と。

                また、国家保衛部が委員会を作ったからいい委員会なんだというのは全く嘘です。安倍総理はそう言ったのですが、私は反対です。それは繰り返し言っているんですが、北朝鮮の憲法を読めば分かる。「国家保衛部というのは、国防委員会の下に作られた組織だから、全組織を調査できる」と言っていましたが、国防委員会も国家保衛部も国家機関です。

                北朝鮮の憲法を見ると、「国家機関を労働党が指導する」と書いてあります。工作機関は労働党の機関です。拉致をした作戦部とか、35号室、調査部、統一戦線部はみんな労働党の機関です。労働党の機関に保衛部は入っていけないんです。これは北朝鮮のことを勉強していれば、ABCのAです。

                それなのに保衛部の人が出てきたから云々とか、秘密交渉の相手の名前までリークする。日本経済新聞には被害者のリストが出ているとか。結果として誤報でしたが、そういう報道までされて、みんな浮き足立ってしまった。

                私たちは繰り返し「報告書ではなく人を出せ」、「調査する必要はない」、「金正恩が返すと決断するかの問題だ」、「報告書をくれと言うと新たな死亡の証拠を捏造する危険性が高いから、被害者を全員返せばこちらもできることがある」と言ってきました。飯塚代表も繰り返し、「報告書ではなく人だ」と言っておられました。

                政府は当初「正直で迅速な報告書を求める」と言っていましたが、「ストックホルム合意に基づいて全員帰国を求める」という言い方に去年の9月くらいから変わりました。安倍総理は次の年、去年になって、

                すると北朝鮮から「話が違うじゃないか」という声が聞こえてきました。安倍総理の側からも、「話が違う」と。「全員帰ってくると言ったからストックホルム合意をしたのではないか」と。

                つまり、ストックホルム合意を作った時に、お互いのトップが別のことを考えて合意した可能性がある。こちら側は、全員返すという決断をしているならどんな合意でもいいし、どんなことを書いてもいい。でもそれ(全員返すという決断)がなかったなら合意なんかしてはいけなかった。

                そこのところが危なかったんですが、去年安倍総理も気づかれて、表向きの局長級協議は一度も開かれなかった。北朝鮮側は「開こう」と言ったのです。「報告書はできている」、「渡したい」と。

                それに対し、拉致最優先で人が帰ってくるのかということで、「そうでないならいらない」と言った。去年局長級協議が開かれなかったのはよかったのです。そして今年になって1月に核実験があったので、制裁をかけた。

                その局面になったので我々は、「もうかけるだけの制裁をかけたのだから、拉致先行で日本はやります」という段階になったと言っています。一昨年は危なかった。去年総理が、外務省主導のストックホルム合意路線から事実上ブレーキをかけて、拉致被害者救出優先になった。

                早紀江さんが、局長がいる時に、「報告書なんかもらってきてもいりませんから受け取りません」とおっしゃいました。しかしまだ、そういうことを考えている人がいるようですので、「報告書ではなく人だ」と。

                金正恩が全員返すという決断をする、それを取るか取らないかのことだけだと言い続けなければいけないと思います。

                (4につづく)


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                核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ−特別集会報告2

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                  ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

                  (2016.10.25)

                   

                  核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ

                   

                  −特別集会報告2


                  櫻井 ありがとうございました。今西岡さんのお話を伺っていても、やはり日本が国として国民を、十代の女の子や少年たち、青年たちを他国の国家権力に拉致されて、30年も40年も救うことができないないという事実に、これは本当のありかただろうかとみんなが考えるわけです。

                  その間に北朝鮮は、恵谷さんから詳しい話が出ると思いますが、着々と金日成、金正日の時代から、この国際社会の中で韓国を圧倒し生き残っていく方法というものを考えて、核・ミサイルの実戦配備まで彼らはとうとうきてしまった。

                  ここで、ある意味ゲームチェンジというくらいの大きな変化が起きていて、だからこそ西岡さんも新たな局面に入ったと言っているわけです。その時に、日本を囲む国際状況は信じられないくらいに大きく変わっているわけです。

                  今アメリカの大統領選挙を見てもそのことを感じますし、隣国の中国を見てもそのことを感じますし、その中国が水面下で北朝鮮を支援し続けている。これは国際社会で明らかなことです。そしてこうしたことについて、国際社会もわが国も有効な手が打てないでいる。

                  こうした中で国としてどうやったらいいのかを考えなければいけないわけで、国家としてわが国が何を欠落させているのかについての根本的な認識をもとに、対策を考えていかなければ解決の狭い道を歩むのも非常に厳しいものが出てくるわけです。

                  恵谷さんには、北朝鮮の軍事力が及ぼす新たな変化について、非常に厳しいものがありますが、なるべく具体的にお話いただければと思います。


                  ◆北朝鮮の核兵器化は完成に近づいている

                  恵谷治(ジャーナリスト)

                  北朝鮮の核開発とミサイル開発について報告します。

                  ご承知のように、北朝鮮は過去10年間で5回の核実験を実施しました。特に今年9月9日の、5回目の核実験は、それまでと全く違う様相の実験だったと私は思っています。

                  配布資料には「戦略的核武力建設構想」とありますが、これは北朝鮮が初めて表明した表現です。つまり彼らにはこの「建設構想」があるということです。この「建設構想」についてはもちろん北朝鮮は発表していませんが、核戦力の究極の目標は、原子力潜水艦に核ミサイルを搭載することです。これは軍事関係者には当たり前のことです。

                  北朝鮮はそれに向けて、ある判断ではまだまだ先とも言えますが、徐々に徐々にそこに至る状況です。彼らがそこに至ったというくらいの状況です。というのはミサイルに搭載できる程小型化、軽量化はできていませんでした。

                  しかしこの9月9日の北朝鮮の発表では「核弾頭化に成功した」と言っています。仮にこれがプロパガンダで、まだブラフ(威嚇)だとしても、もう25年くらい核弾頭の小型化を目指してきた北朝鮮に関しては、完成は目の前、あるいは既に完成していると考えるべきだと思います。

                  一方核弾頭を積む原子力潜水艦ですが、これは新浦というところで建設しているのではないかと私は推定しています。偵察衛星も含めて、外観からは内部にディーゼルエンジンを積んでいるのか、原子炉を積んでいるのかが分かりません。

                  しかしおそらく原子炉を積んだ潜水艦を現在建設しているのではないか。ただこれがうまくいくかどうかはまた別問題です。

                  加えて、軍事的に言えば、北朝鮮のレベルであれば、その潜水艦が完成して海底を航行しても、海上自衛隊、アメリカ海軍は120%探知できます。

                  問題は探知できるかどうかではなく、北朝鮮が原子力潜水艦に核ミサイルを積むことによって、アメリカとの交渉において、核保有国宣言は誰も否定できなくなる。ここが一番のポイントで、現実的に作戦配備されれば、さほどの脅威ではないと私は思いますが、政治的には全く様相が異なります。

                  その意味でこの5回目は「核兵器研究所」というのが初めて登場しました。この研究所の名義で5回目の核実験の公式声明が発表されました。4回目は政府声明でした。3回目と2回目は「朝鮮中央通信」の報道で、主体が不明でした。しかし、4回目は政府声明で、「水爆」と報道されましたが、北朝鮮は「小型化された水素弾」と発表しました。

                  この「小型化」が問題です。水素弾を水爆と訳してもいいんですが、水爆というのは核爆弾を起爆としたもので装置自体が大きくなります。それを小型化するというのは、核爆弾に水爆の原料を少し加えて威力を強化したもので、いわゆる「ブースト型」あるいは「強化原爆」です。

                  中国もロシアもアメリカも、現代の原爆というのは水爆の材料をプラスしています。それによって威力を強化させる。通常のことです。それを北朝鮮はやっと4回目に世界のトレンドであるブースト型の実験をしたわけです。

                  しかし爆発威力の数字をみたらお分かりと思いますが、4回目は前回よりも威力が低下しています。つまり彼らが言う「水素弾」、我々が言う「ブースト型」原爆は失敗したと思っています。

                  ところが5回目は、威力だけでいえば過去最高です。報道でも聞かれたと思います。しかも、まだ確認はとれませんが、ミサイルに積める状況に至っているのではないかと思います。

                  ということは、彼らの「戦略的核武力建設構想」にどんどん近づいているというのが現状です。


                  ◆北朝鮮の核・ミサイルが米西海岸まで届くことに

                  ミサイルに関しては、今年23発も発射しているんですが、とにかく驚くほどの発展ぶりで、アメリカの東海岸、ワシントン、ニューヨークに届く能力はまだありませんが、サンフランシスコ・ロサンゼルスの西海岸まで届くものを作りました。このテポドンは朝鮮では「銀河」「光明星」等と呼ばれています。

                  アメリカに届く能力があるミサイルの先端に、5回目の核実験で成功させた核弾頭を積めばアメリカを攻撃できる。ということは当然日本も韓国も核攻撃できることになりつつあるか、あるいはもうなっていると考える必要があります。

                  ではどうすればいいのか。現在イージス艦から発射するもの、あるいはPAC3がニュースに出ます。しかし、今後の核・ミサイル攻撃を考える場合、100%落とす必要があります。

                  そうすると増強の選択肢の中で、皆さんもニュースでご存じのサード(THAAD)という現在韓国に配備が決定したもの、まだ配備はされていませんが、これを日本の航空自衛隊に配備すべきだと思います。韓国では在韓米軍に配備されます。

                  今後このサードを日本に8基、いや6基導入すれば、北海道から九州まで日本全土を守ることができます。この防衛システムに皆さんの関心が集まるようお願いできればと思います。

                  櫻井 恵谷さん、6基と言われましたが、沖縄はどうなりますか。

                  恵谷 南西諸島までサードで守るのはコストパフォーマンス上どうかと思いました。

                  櫻井 沖縄の人が怒るのでは。

                  恵谷 沖縄にはPAC3がありますから。

                  櫻井 分かりました。ありがとうございました。では島田さん、アメリカでもスネドンさんの件など、日本側から情報提供してアメリカの議員の方々の認識を深めたという事例もあります。今回北朝鮮の核・ミサイルが西海岸に届くことが現実になってきたわけです。そういう事情を踏まえてアメリカでの事情をお伝えください。

                   

                   

                  ◆アメリカが北朝鮮と取引する中国企業に制裁

                  島田洋一(救う会副会長・福井県立大学教授)

                  最近の新たな動きをいくつか紹介したいと思います。

                  今から1か月弱前、9月26日に、アメリカ政府、具体的には財務省が中国の鴻祥実業発展有限公司及び経営幹部4人に対して、経済制裁を発動しました。今年2月に米議会で北朝鮮制裁法が通り、オバマ大統領もサインして、法律として制定されました。中国の企業に対する制裁が可能になりました。そして初めて本格的に発動したケースです。

                  この企業は中朝国境の丹東の企業ですが、ウラン濃縮に使われる遠心分離機のための酸化アルミニウムとかバッテリー等を北朝鮮に輸出していた。これは今年3月にできた国連制裁決議2270号に違反するという認定をアメリカ政府がしたわけです。

                  中国側もこのケースについては、アメリカ側が相当証拠を集めて提示したので言い訳ができずに、今年8月に女性経営者44歳を逮捕して、中国当局が調べているという報道がありました。

                  北朝鮮の跋扈を許してきた最大の癌が中国共産党であることは明らかなわけで、それは北朝鮮に対する食糧支援や難民の強制送還をしてきたわけです。

                  今回は中国が取り調べているということで、極めて怪しい面があるんですが、中国政府の息のかかった企業であることは間違いないですし、またアメリカ側の調査によれば、金正恩を殺害する映画を作ったソニーピクチャーズへのハッカー攻撃も、鴻祥実業が持っている建物のツーフロアーを北朝鮮のサイバー部隊が借りているらしいです。そしてそこから攻撃が行われていた。これはアメリカに対する攻撃をこの企業が行っていたということで、米財務省が制裁に踏み切った理由の一つのようです。

                  気になるニュースによると、北京政府と瀋陽軍区の間に対立があって、「瀋陽軍区は北朝鮮と組んで北京を核攻撃することまで考えている。だから北京政府としては、北朝鮮をつぶさないといけない。鴻祥実業も瀋陽軍区と関係が深いので北京は本気になってつぶそうとしている」という報道です。

                  しかしこれは北京が意図的に流したもので、それだけ北京は本気でつぶしにかかっていると思わせるために流している偽情報の可能性がありますので信用できないのですが、そういう情報もあります。

                  今後とも、中国企業に対する制裁を連続的に発動していかなければならないし、この企業に関しては取引銀行が丹東銀行だと指摘されています。これは地方銀行ですので、その上に親銀行がある筈で、そこにしっかり制裁をかけるべきです。とかげのしっぽ切りの対応を許してはいけないと思います。

                  私は数か月前に、ワシントンでボブ・コーカー米上院外交委員長のアジア担当スタッフと話した時に、その人は中国側に圧力をかけるために、まさに直前に丹東に視察に行っていたんですが、このスタッフも、「とかげのしっぽ切り的な小さな銀行への制裁で終わらせてはいけない。大本の銀行、前から言われているバンク・オブ・チャイナへの本格的な制裁が必要だ」と言っていました。

                  これは今後ともポイントになると思います。


                  ◆北朝鮮に核・ミサイル開発で支援する外国には支援しない

                  また、イランと北朝鮮のコネクションが極めて重要です。核・ミサイル開発を彼らは一緒にやってきたわけですが、オバマ政権がイランとの極めて中途半端な核合意を結んだことで、またこの合意がうまくいっているんだと見せるために、アメリカが凍結したイランの資金などを戻す制裁解除をどんどんやっていますが、そういうお金がミサイル購入資金の形で北朝鮮に渡らないように監視しなければならない。

                  日本もイランに経済支援などをする場合には、北朝鮮との関係がもし明らかになったら日本は一切支援しませんよと言わなければいけないと思います。

                  安倍さんが先月、イランのロウハニ大統領と会った場で、北朝鮮との関係はしっかりと切ってくれとクギをさしたと聞いていますが、そういうメッセージを今後とも出すべきです。北朝鮮との関係が発覚すれば経済的打撃をイランに与える行動が必要ではないかと思います。

                  さらに韓国が迎撃ミサイルサード(THAAD)を配備することを中国が非常に嫌がっていますが、やはり中国が嫌がることをどんどんしていかなければならないわけです。北の核開発を中国が許している限り、中国にとって痛いことを周りの国がしますよ、と。

                  日本も、懲罰的抑止力をきちんと整えていくべきだと思います。実は一昨日櫻井さんが主宰しておられる国家基本問題研究所に、陸上自衛隊の有力OBを招いて勉強会をしました。

                  そのOBの方が、開発されている兵器として、マッハ10くらいのスピードで落ちていく通常弾頭ですが、隕石が落ちたのと同じくらいの効果があって、核兵器ではないのですがものすごい打撃を相手の指令系統中枢に与える兵器の話をしました。

                  日本は非核3原則があるのでそれを前提にした上で、核に頼らずに懲罰できる兵器を北京等に示す場合に隕石的な兵器が一つポイントになると思います。


                  ◆米下院で米人拉致被害者調査を決議

                  国連で北朝鮮に対する報告書をまとめたオーストラリアのカービーさんは、北朝鮮人権問題をラーフワークにしている立派な方です。この方の存在は拉致問題にとっても重要な資産だと思います。

                  彼が三日前に日本で記者会見して、いくつか提案しています。

                  一つは、途上国世界における民主主義大国に対して、北朝鮮は人類にとっての脅威だから、地域代表としてもっと積極的に動くように圧力を加えるべきだと言っています。具体的な国名としてはインド、インドネシア、南アフリカを挙げています。

                  こういう国は周りの小さな国々との経済関係がもちろんありますから、そういう国々が「北朝鮮との関係を切れ」と周辺諸国に言ってくれるなら、効果がある、と。

                  さっき櫻井さんが言われたスネドンさんのケースですが、デヴィド・スネドン氏は2004年8月に中国の雲南省で失踪しました。北朝鮮難民を助けているという疑いをもたれて北朝鮮の工作員に拉致されたのではないかと私も思っています。

                  そのスネドン氏のケースについて、真剣にアメリカ政府が調べろという決議案が先月下院で通りました。その決議を提出したクリス・スチュワート議員が12月に日本の人権週間に来日することが決まったと古屋圭司議員から聞きました。また、スネドン氏の長兄マイケル・スネドン氏も来られるということです。この機会をアメリカの世論喚起にも是非利用したいと思います。

                  最後に、2006年3月に、デヴィド・スネドン氏と似たようなアメリカ人の失踪事例がある。家族がスネドン家と接触して、自分たちの息子も拉致じゃないか、と。家族の意向で、現段階では実名は言えないんですが、やはりスネドン氏と同じ雲南省の虎跳峡(こちょうきょう)という景勝地の崖を訪れて、その後ラオスに入って失踪しています。

                  このケースも日本の拉致問題と同じように、最初の拉致のケースの時日本政府が全く対応しなかったわけで、そのせいで横田めぐみさん拉致も起こってしまった。あの前の段階で政府が対応していればめぐみさんは拉致されずにすんだかもしれないわけです。

                  アメリカでもスネドンさんのケースを米国政府が見逃したせいで、その1年半後に類似のケースが起こったのかもしれません。そういうことも含め、アメリカ側との連携をさらに深めたいと思います。

                  (3につづく)

                   


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                  核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ−特別集会報告1

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                     ★☆救う会全国協議会ニュース★☆

                    (2016.10.24)

                     

                    核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ

                     

                      −特別集会報告1

                     

                     

                    家族会・救う会は、10月23日(日)、東京・友愛会館で、「新たな段階に入った拉致問題−核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ」特別集会を開催しました。

                    北朝鮮は、9月9日、今年2度目の核実験を行ったが、わが国には拉致被害者救出という緊急課題がある。だからこそ、世界一厳しい制裁をかけている。国際社会で北朝鮮への圧力が強まる中、核・ミサイル開発は許されないが、自国民保護という観点から、拉致問題を切り離して、独自制裁部分の解除と引き換えに、拉致問題の先行・一括解決を求めるべきです。

                    櫻井よしこさんの司会の下、新段階に入った拉致問題について西岡救う会会長が基調報告し、島田洋一副会長が米国の動きを報告、恵谷治氏が北朝鮮の核ミサイル開発の現状を報告し、全員救出のために何をすべきかを話し合った。在京の家族会メンバーも訴えました。

                     

                    ■核・ミサイルと切り離して全被害者救出を先行させよ

                    櫻井よしこ みなさんこんにちは。今日はお休みですが、拉致問題が新たな段階に入ったわけですから、私たちの対策も新しい発想と、新しい具体的手段を使って解決しなければなりません。

                    「新たな段階」の意味は何なのか、北朝鮮の変化をどこを軸として捕えるべきなのか。私たちは拉致問題を抱えているということで、他の6か国協議の他のメンバー国とは全く違う立場にあります。

                    拉致被害者をまず救出しなければならない。そのことを念頭に置いて、新しい北朝鮮をめぐる情勢にどう対応するかということについて、今日は三人の専門家から具体的な提言を含めてお話いただきたいと思います。西岡さん、惠谷さん、島田さんの順に提案をお願いいたします。

                     

                    ◆2002年と似たような状況に

                    西岡 力(救う会会長、東京基督教大学教授)

                    みなさんこんにちは。日曜日のお休みの中、こんなにたくさんお集まりいただきありがとうございます。

                    お手元に「新たな段階に入った拉致問題」というペーパーをお配りしました。9月9日に今年2回目の核実験が行われ、専門家の意見はほぼ成功ということで一致しています。後程惠谷 治さんから、北朝鮮の核・ミサイル開発は想像以上に進んでいる、深刻な危機であるという話をしてもらいますが、そういう中で、特に拉致被害者救出運動の立場からすると、核問題で嵐が吹くだろうと、国際社会が核一辺倒になってしまうのではないか。下手をすると拉致の旗が飛ばされてどこかに行ってしまうのではないかと強い危機感を持ちました。

                    しかし、2002年に5人の被害者が帰って来た時も実は似たような状況だった。アメリカが9.11のテロの後、北朝鮮の核開発について深刻に認識して、強い軍事的な圧力をかけた。私は9月17日の直前に、金正日がアメリカの圧力をどれくらい深刻に考えているか、その度合いによっては拉致問題が動くかも知れないと思っていました。

                    そして9.11の頃一生懸命本を書いていました。8月くらいから核問題が大変なことになっている。パキスタンの技術が北に行っていることが分かった。このまま行ったら、国際社会はこの問題で核一辺倒になって、拉致の旗が飛ばされると思って今と同じ危機感を持って本を書いていたのです。

                    しかし本が間に合わずに9月17日になり、本は10月に出しました。そういう思い出があるんですが、今も似たような状況じゃないかと思っています。しかし、大きなことがなるためには嵐が来なくてはならない。膠着状態では被害者を取り戻せないというのも確かなことです。

                    この激動、嵐をどうやって利用して、まず被害者全員を安全に取り戻すことができるか。今日はそういうことを皆さんと一緒に考えたいと思います。

                     

                    ◆制裁強化の段階から制裁解除をてことする段階に来た

                    レジュメに戻りますが、被害者救出運動では、私たちはこれまで圧力をかけて北朝鮮を協議に引き出すとずっと言ってきました。それは2つの段階に分けられます。

                    第1段階は、圧力をかけて協議を引き出す段階、第2段階は、かけた圧力を使って被害者を取り戻す段階です。安倍総理も繰り返し色々なところで言っていますが、「制裁は2回活用できる。1回目はかける時、2回目は降ろす時」と。

                    制裁をかけて協議の場に引き出して、制裁を降ろすことを条件に被害者を取り戻すということが安全に取り戻す最善の策だと思っていますが、それ以前に北朝鮮の政権が崩壊するかもしれない。そのことを想定して救出戦略を練っておくという3つ目の道も念頭にありますが、今は第1の道の中で第2段階に入ったと思っています。

                    北朝鮮が2回の核実験と23発のミサイル発射を今年になってからやった。国際社会が強い危機感を持って北朝鮮に対して圧力をかけている。わが国もその圧力を強める先頭に立っている、という状況です。

                    特に今年2月にわが国は、今年1回目の核実験を契機として、現行法規でできるほぼすべての制裁をかけました。あとは人の往来についてだけ残っています。世界で一番早く独自制裁をかけました。

                    そういう中で、次に制裁を使うことができるか。核でかけた制裁は核でしか使えません。だから我々は核だけを理由に制裁をかけてくれるな、制裁をかける時はいつも拉致も理由だと言ってくれと言ってきました。それは実現しています。

                    今日本がかけている世界で一番厳しい制裁は、核と拉致の両方を理由にしています。そこで9月以降我々は、拉致問題と核問題を切り離してほしい。切り離して拉致問題を最優先で解決してほしいという要求をするようになりました。

                    飯塚繁雄代表が繰り返し、加藤大臣に対しても、安倍総理に対しても、様々なところでそういうアピールをしてくださっています。第一最優先だと繰り返し飯塚代表がおっしゃっています。

                    それは人の命がかかっているからです。拉致が犯罪だからです。他の人道問題も重要だと思いますが、拉致は犯罪で人の命がかかっている。だからこそ最優先と言っているわけです。

                    ここに核実験がなされた時に我々が出した声明と国民大集会での決議を引用しましたが、9月の核実験直後の声明では、「どのような情勢下でも被害者を見捨てることは許されない。むしろ核問題でかかる強い圧力をてことして、拉致被害者救出を先行させることも可能だ。政府の一層の努力を強く求める」と申入れをしたわけです。

                    この「てことして」という言葉は、最近加藤大臣も使ってくださっています。「厳しい情勢をてこにして拉致問題を解決する」と聞いています。そういう点では、加藤大臣がいるという体制は大変よかったと思っています。

                    今拉致担当大臣がいなくて、外務大臣しかいなかったら、どうなるか。外務大臣は世界をかけまわって、国連で制裁を強めよう、各国に制裁を強めよう、核をやめさせようと言っているわけです。

                    それをてこにして拉致問題を解決しようということと、制裁を強めましょうということを同じ人が言うのはなかなか難しい。しかし、拉致担当大臣は、拉致が担当で核担当大臣じゃない。

                    日本政府としては、北朝鮮の核問題は緊急の課題で解決しなければならないと言っている状況の中でも、「拉致を優先して解決しなければならない」ということを言う立場なんです。

                     

                    ◆全被害者を返せば人道支援はできる

                    政府に総理を本部長とする拉致対策本部があり、担当大臣がいるという体制だから、国際社会が拉致を吹き飛ばしてしまいそうな危険な状況の中でも、踏みとどまることができる。そういう体制になっているということだと思います。

                    9月の国民大集会の決議でも、「北朝鮮は、今すぐ、被害者全員を返せ。全被害者を返すための実質的協議に応ぜよ」と求め、「政府は、核・ミサイル問題と切り離して被害者帰国を先行させるための実質的協議を最優先で実現せよ」と言っています。

                    実質的協議というのは、率直に言うと、2年前のストックホルム合意とは違います。被害者の帰国を最優先にして、それも一括帰国が実現するならば日本は何をする、何ができるという協議です。一括帰国に特化した条件の話し合いです。それをしてほしいということです。

                    先ほども言いましたが、今年3月、国連の安保理事会では、厳しい制裁を決めました。これまでぜいたく品の輸出、軍事関係の輸出を禁止する制裁をしていましたが、石炭などの鉱物資源対北輸入、北朝鮮から買うことも禁止です。

                    但し、「人民の生活に関係するものについては例外」とされて、中国は北朝鮮の石炭で火力発電をしたり、暖房に使っています。「それは人民の生活に関係するから」と、中国は未だに北の石炭を買っています。

                    北朝鮮に食糧輸出をするのを止めないというのは北朝鮮の食糧が中国からしか入ってこないとすれば、「人民の生活に関係する」かもしれませんが、中国の火力発電所は、国内の石炭でも他から買ってもいいのに「人民の生活に関係する」として中国は制裁をサボタージュしていると思います。こういう制裁が今かかっています。

                    日本は何をしているか。日本は、すべての貿易を止めています。最近「産経新聞」の報道等で、今年も北朝鮮のマツタケが日本に入ってきており、それは制裁破りだという報道がありました。

                    その制裁破りという意味は、国連の安保理の制裁破りではない。国連の制裁では北朝鮮から食料品を買うことは禁止されていない。マツタケは軍需品でもないし。ぜいたく品ではありますが、北朝鮮からの輸出です。北朝鮮へのぜいたく品の輸出は禁じられていますが、買うのはいいわけです。しかし、日本はすべての輸出入を禁止しているから、北朝鮮のマツタケは制裁破りです。

                    どういう形で入ってきたのか。中国の延辺にある、中国の商社が北朝鮮のマツタケを買って、中国産だという書類を偽造しています。丁寧なことに、「これには北朝鮮産は入っていません」と保証書まで付けて日本に輸出しています。

                    このことを私は具体的に業界の関係者から聞きました。「横田さんたちがあんなに一生懸命頑張っているのに、うちの業界がこんなことをやっているのは恥ずかしい」と。去年も同じ情報提供がありましたが、今年もやっているという話でした。

                    日本は今、北朝鮮に対する人道支援も止めています。北朝鮮は今台風の被害がひどいと言って、国連のWFPなどが現地で活動しています。安保理事会では北朝鮮に制裁をかけていますが、国連の機関が人道支援はしています。

                    日本はこの呼びかけに応じていません。その理由は、2004年に、小泉首相が二度目の訪朝をした後、25万トンの米支援などを約束し、その半分は実施しましたが、その年の12月に横田さんや松木さんのものとして渡された「遺骨」が他人のものだったことなど、あまりにも非人道的なことを北朝鮮がしたので、人道支援を止めています。

                    我々としては、北朝鮮の困っている人を助けたい。そのためには早く北朝鮮が、「前回送った二人分の遺骨を含む書類は全部偽物でした。被害者は生きています。返します」と言ってくれれば、日本は人道支援ができるんです。


                    ◆独自制裁部分で拉致問題の解決を

                    では拉致問題を先行して解決する時に何が使えるかですが、国連の安保理事会の制裁は核・ミサイル問題を理由にしています。日本はそれを超える強い制裁をしています。その超える部分については拉致問題で使ってほしいというのが我々の立場です。

                    そしてこれは我々だけの立場ではない。一昨年のストックホルム合意について、私たちは大変否定的です。しかし、1か所だけヒントになるところがあります。

                    ストックホルム合意では、配布資料にあるように、お互いがなすべきことが4つあります。まず、双方は日朝平壌宣言に則って、国交正常化をするとあります。なぜ拉致問題も解決していない段階でこんなことを書いたのかについて繰り返し批判の声が出ています。

                    二つ目に、日本側は北朝鮮側に対し調査を要請した。その調査は拉致だけでなく、遺骨、墓地、残留日本人のことも含まれている。

                    次に北朝鮮側は、調査の要請を受けて、調査を行うことを表明した。

                    最後に、「日本側は、これに応じ、最終的に、現在日本が独自に取っている北朝鮮に対する措置(国連安保理決議に関連して取っている措置は含まれない)を解除する意思を表明した」とあります。

                    ここで注目すべきことは、北朝鮮がすべきことの中に核問題が一切入っていないことです。日本が要請した調査をしてくれたら、日本は「独自に取っている措置」、つまり独自制裁を解除すると約束したんです。但し、国連の安保理決議の部分はできませんよ、とあります。

                    国連の安保理決議は核に関するものです。それ以上のものは、それ以外のことで使うという区切りを日本政府が作った。これは半分評価できますが、半分は評価できない。

                    なぜなら制裁の理由は拉致だからです。人道支援を止めているのは日本人墓地の問題ではないんです。日本人妻の問題でもない。偽の遺骨が来た、偽の死亡診断書が来たから止めてるんです。

                    それなのにここでは、他のことも一緒に取引のテーブルに乗せてしまったという点で、ストックホルム合意には大変な弱点がありますが、ただ国際社会との関係で言うと、核についての制裁は安保理事会の部分で、それ以外は日本が使うということです。

                    このことについては、拉致を最優先で、国連の制裁以上の部分を拉致で使うことについては、我々がかねてから主張していることです。配布資料にもありますが、我々は2013年の運動方針で、「現在、日本は対北朝鮮人道援助を停止しているが、これは北朝鮮が偽遺骨や偽死亡診断書などを提出するというあまりに非人道的行為を行ったことが契機とされている。核やミサイルでなく拉致問題が理由となっている。従って、彼らが死亡とした8人の生存を認めるなど拉致問題で誠実な対応をとれば、米韓も実施している人道支援は再開しうる。これは有力な交渉カードだ」としました。

                    3年前の運動方針で、「拉致が解決するならば人道支援の再開はできる」としています。核問題が解決していなくても、です。今年の運動方針でも、同じことを言っています。

                     

                    ◆ストックホルム合意に戻ってはならない

                    但し、そこで気を付けなければいけないのは、「拉致と核を切り離す、拉致を最優先」と我々が言ったことがひとつの契機となって、「もう一度ストックホルム合意に戻ればいいじゃないか」と言う人たちが出てきています。

                    ストックホルム合意の根本的な欠陥は、金正恩が全員を返すという決断をしていないのに、合意を結んでしまったということです。当初私たちは、安倍さんが「うん」と言ったのだから、紙には書いていないが全員返すという裏合意ができているかもしれない、と思って色々見ていましたが、それがなかった。

                    繰り返し言いますが、調査なんか必要ないわけです。分かっているんですから。しかし、「調査をするという形式が必要だ」と向こうが言ってきた。全員返すことが前提ということであれば乗ってもいい、ということでした。

                    しかし、そういうことではなかった。彼らは「8人死亡」の新たな死亡報告書を準備していた。これは間違いありません。様々な情報がこれを示しています。最悪のシナリオは生きている人を殺して、本物の遺骨を作るための技術開発までしていたのです。

                    だからストックホルム合意に戻ってはならないんです。ストックホルム合意の前の安倍政権の基本的方針は、「拉致最優先、被害者の安全確保、そして全員一括帰国」の3原則でした。古屋大臣が繰り返し言っていました。

                    この方針の下にストックホルム合意があるなら、この方針実現にストックホルム合意がためになるならやるんだ、というのが古屋大臣の我々に対する説明でした。

                    ですから、拉致と核を切り離して、国連の制裁以上の強い制裁を取引材料にして、実質的協議をする時に、こちらが動くのは全員帰国以外にない。それ以外の人道問題が解決することはいいことだと思いますし、どんどんやってもらえばいいと思いますが、そのことを理由に制裁をかけていませんので、それを解除することはできない。

                    日本からなにか物を貰いたい、人道支援をもらいたい、制裁を解除してほしいと思うならば、被害者を一括して返しなさい、その決断をしなさい。それをするなら実質的協議に応じる。


                    ◆帰国した被害者に聞くことは「これで全員ですか」

                    めぐみさんたちが秘密を知りすぎていることがネックになっているのなら、これは繰り返し言っていますし、飯塚代表や横田さんたちも、「家族は帰ってきた人たちと静かに暮らしたい」と言っているんです。被害者を政治運動の先頭に立てるなんて言っていません。日本政府には、本人と家族の希望をかなえる責任がある。

                    私たちが帰ってきた人に聞くことは一つだけです。「これで全員ですか。他にも被害者がいませんでしたか」。これは絶対聞きます。だから全員返さないとだめですよ、と。しかし、静かに暮らしたいと本人たちが言うのならそれでいい、と。

                    私たちは家族会であり、救う会です。被害者を助ける運動をしているんです。しかし、それ以外のことで二十年間苦労して、世界で一番強い制裁をかけてきた。そのことを他のことに使ってもらいたくない。

                    北朝鮮に対しても、日本人は本気で被害者を助けたいと思っている。核問題も本当に大切だし、他の人道問題も解決しなければならない。しかし、緊急に今どうしても解決したいのは全被害者の帰国だ。


                    ◆真相究明と実行犯の引き渡しは後でもいい

                    日本政府は拉致問題解決の定義は三つだと言っています。1全被害者の帰国、2真相究明、3実行犯の引き渡しです。2と3は後でもいい。時差があってもいい。しかし、1は絶対譲れない。そのことについては絶対我々は揺るがない。安倍政権も拉致最優先と言っています。

                    今回の国会の施政方針演説で、安倍総理は、今までは「拉致、核・ミサイルの包括的解決」という言葉を使っていましたが、今回は「核とミサイル、そして従来からの安倍政権の最優先課題である拉致問題の包括的解決」と言いました。「従来からの最優先課題」という言葉が入りました。

                    9月17日の我々の国民大集会では、安倍総理は挨拶の中に、「ストックホルム合意」という言葉は入っていませんでした。「被害者を助ける。その先頭に私は立つ」と言いました。

                    核問題が本当に深刻で、後で惠谷さんに話を聞きますが、我々にとっても深刻な状況になっていることは事実です。そういう中でも、だからこそ私は細い道だと言っていますが、この道しかない、と。

                    核問題も解決しなければならない。国際社会から、「核問題を解決するために、日本も協力しろ。裏切るのか。拉致で取引するのか」と言われるかもしれない。しかし、日本の制裁は世界より高いことをやっている。その分を拉致で使うんだと言えるはずです。

                    一方、世界から「裏切るのか」と言われた時、他のことで取引されては困る。また、何人かが帰ってくるということでもだめだ。金正日が2002年に「死んだ」と言って終わらせようとした8人を含む全員でなければならない。こちら側にも降りられない、あちら側にも降りられない細い道だけど、この細い道しか全員助ける道はない。厳しい状況ですが、希望はある、道は開けている、というのが新たな段階になった拉致問題の現状だと思っています。

                    (2につづく)

                     


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                    北九州市の「明日への伝言板」で、 拉致問題が取り上げられます。

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                      明日から、北九州市人権推進センターが送る

                       

                      “人権を考える5分間のラジオ番組”「明日への伝言板」で、

                       

                      拉致問題が取り上げられます。

                       

                       

                      放送予定は次の通りです。

                       

                      クロスFM
                        10月21日(金曜日) 18時54分
                        12月10日(土曜日) 14時51分

                       

                      RKB
                        10月28日(金曜日) 16時25分

                       

                      KBC
                        11月25日(金曜日) 18時40分


                      聞き逃された方や、北九州以外の方は、パソコンで北九州市人権推進センターのホームページを開くとご覧になれます。

                      「明日への伝言板」
                      http://www.city.kitakyushu.lg.jp/page/asu-dengonban/

                       


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